福本陣屋跡(読み)ふくもとじんやあと

日本歴史地名大系 「福本陣屋跡」の解説

福本陣屋跡
ふくもとじんやあと

[現在地名]神崎町福本

越知おち川左岸の上町うえまちにあった福本藩(のち交代寄合の旗本)池田氏の陣屋跡で、北・東・南の三方を山に囲まれ、陣屋の周囲には侍屋敷があった。

姫路藩主池田輝政の四男で山崎藩主であった池田輝澄は、寛永一七年(一六四〇)家中騒動のため領知没収となり、因幡国鹿野しかの(現鳥取県鹿野町)に移されて神崎郡印南いなみ郡のうちで堪忍分一万石を与えられた(「池田氏系図」池田家文庫)。輝澄の堪忍分一万石は因幡鳥取藩主池田氏の領知するところとなった(正保郷帳など)。寛文二年(一六六二)輝澄は鹿野で没し、嗣子政直に改めて神東じんとう神西じんさい両郡の三五ヵ村九千四九二石余、印南郡一ヵ村五〇七石余の計一万石が与えられ、新土野しんどの(のち福本と改称)に陣屋を構えて福本藩を立藩した。しかし同五年政直は嗣子のないまま没したため、翌六年遺領一万石のうち政直の弟政武が七千石を継いで交代寄合旗本となり、三千石はその弟政済に分知されて旗本屋形池田家を興した(「池田氏系譜」・寛文四年「池田政直知行目録写」池田家文庫、「屋形池田家譜」文部省史料館蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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