印南(読み)いなみ

精選版 日本国語大辞典 「印南」の意味・読み・例文・類語

いなみ【印南】

  1. 播磨国(兵庫県南部)の旧郡名。加古川下流の右岸を占めた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「印南」の意味・わかりやすい解説

印南(町)
いなみ

和歌山県中部、日高郡にある町。1900年(明治33)町制施行。1956年(昭和31)稲原村編入。1957年切目川(きりめがわ)、安住(あずみ)の2村を合併。『紀伊続風土記(ふどき)』は印南を「海部(うなへ)」の転語という。中世の印南荘(しょう)と切目荘を含む。印南川と切目川の流域を占める。JR紀勢本線(きのくに線)、国道42号(熊野街道)、425号が通じ、阪和自動車道の印南インターチェンジがある。『太平記』などで知られる五体王子社の一社である切目神社がある。両川の河口部が中心で、サヤエンドウスイカなどの施設園芸が盛ん。面積113.62平方キロメートル、人口7720(2020)。

[小池洋一]


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改訂新版 世界大百科事典 「印南」の意味・わかりやすい解説

印南[町] (いなみ)

和歌山県西部,日高郡の町。人口8606(2010)。紀伊半島西部に位置し,町域は広く山地が占め,印南川,切目川の両河川沿いに集落が点在し,両河口に市街地が形成される。印南川河口の印南は古くから港町として開け,江戸時代には大坂~江戸間の廻船寄港地であった。現在は沿岸漁業漁港である。海岸沿いをJR紀勢本線,国道42号線(旧熊野街道)が通る。阪和自動車道のインターチェンジがある。農林漁業が基幹産業で,切目川沿いの狭い谷底平野で米作と酪農が行われる。蔬菜・果樹栽培も盛んで,スイカ,サヤエンドウの特産品がある。かつて除虫菊の栽培が行われ,現在も蚊取線香の製造工場がある。
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百科事典マイペディア 「印南」の意味・わかりやすい解説

印南[町]【いなみ】

和歌山県西部,日高郡の町。大部分山地であるが,海岸段丘でスイカ,エンドウ,花卉(かき)の栽培が盛ん。米,ウメも産する。中心は紀勢本線が通じる漁港の印南。敷網などの漁業も行うほか,蚊取線香を特産する。阪和自動車道が通じる。113.62km2。8606人(2010)。

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