福盛寺(読み)ふくじようじ

日本歴史地名大系 「福盛寺」の解説

福盛寺
ふくじようじ

[現在地名]福山市駅家町新山

蛇円じやえん山の山麓にある。妙雲山と号し、高野山真言宗。本尊千手観音。通称大坊だいぼう。もとは天台宗服部はつとり大池の西、刈山かりやまにあったものを平安時代の末、新義真言宗の開祖覚鑁の弟子大遍によって現在地に移され、改宗したという。寺伝は草創を大同年中(八〇六―八一〇)開山を最澄の弟子日大とする。中世には一五〇貫の寺領を有し(水野記)、一二坊を数えた。「西備名区」は「古へは本堂を福盛寺と申て、十二坊当役にて勤修せり、其後衰廃して没落し、大坊、松本坊、隔勤なりしが、今は大坊の一支配となる、其十二坊は上大坊・下大坊・中大坊・松本坊・塢之坊・日光坊・月光坊・千光坊・西坊・東坊・東円坊・本坊」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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