大池(読み)おおいけ

日本歴史地名大系 「大池」の解説

大池
おおいけ

南東流する今之浦いまのうら川右岸、磐田原台地南部の低湿地帯に属する。約五千年前の縄文時代前期頃、海水準が上昇した時の入江が潟湖(ラグーン)となった、今之浦・大之おおの浦の痕跡である。東西約三二五メートル・南北約三七五メートル、周囲約一・五キロ。東辺には高さ約二メートルの堤防が南北に連なり、池の周囲は水田となっている。大池記(池主霊社蔵)によると周囲数十町。上大原かみおおわら村・南田みなみだ村、下大原村(現福田町)の水田およそ三〇〇町歩の灌漑用溜池であった。延享二年(一七四五)中泉久保なかいずみくぼ村の甚左衛門は大和田おおわだ村、上・下の大原村、南田村に対し、用水に支障を与えないことを条件として大池の干揚地一五町歩余の新田開発を請負った(「開発請負証文」同社蔵)

大池
おおいけ

和歌山市・那賀なが貴志川きしがわ町・海南市の境にあり、一帯は大池貴志川県立自然公園となっている。近世、池の谷口には六〇間ほどの堤があり、山東組六ヵ村、永山ながやま村・伊太祈曾いだきそ村・口須佐くちすさ村・木枕こまくら村・平尾ひらお村・なか村に水を引き一千石余の田を潤した(続風土記)。大池は中世山東さんどう庄の領家高野山大伝法だいでんぼう院の開祖覚鑁にかかわる伝承をもつ。

大池
おおいけ

[現在地名]長野市浅川 北郷

北郷きたごう村北方、標高九〇八メートルの飯縄原いいづなはら東南端にある。飯縄原中最大のもの。面積約八〇〇アール。

慶長五年(一六〇〇)上松うえまつ檀田まゆみだ押鐘おしかね上宇木かみうき・下宇木・吉田よしだ上稲積かみいなづみ・下稲積・上徳間かみとくま・下徳間・山田やまだ東条ひがしじよう西条にしじようの一三ヵ村が田用水にする約定をもって、小作年貢を北郷村に出し貸地として築造した溜池である(長野県町村誌)

大池
おおいけ

[現在地名]飯山市大字大池

有尾ありおの北、長峰丘陵南端東側にある新田集落谷筋道に沿う。元禄郷帳に「高六拾五石三斗壱合 飯山枝郷大池新田村」とあるのが初見。天保郷帳には「飯山」の項に「古飯山、大池新田村二ケ村」と注記されており、飯山へ合併されている。裏山の峰筋道に沿いお茶屋の松があり、水沢平みずさわだいら洪水後の高井・水内みのち両郡の境界目標となった。

大池
おおいけ

[現在地名]南大東村北

南大東島のカルスト湖沼群の北に位置する。南西諸島の自然の湖沼中最大の面積二〇九平方メートルを有する淡水湖沼。島内の他の湖沼に比べて最大水深は約二メートルと浅く、ドリーネウバーレの湖盆形態も不明瞭。湖畔にはアダンが自生するが、北側に分布するオヒルギ群落は、外洋から隔離された内陸封型のマングローブ林として他に例をみず、国の天然記念物に指定されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「大池」の解説

大池

沖縄県、南大東島の中央に位置するカルスト湖。面積約0.31平方キロメートル。付近にはオヒルギの群落が見られ、「大池のオヒルギ群落」として国の天然記念物に指定されている。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

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