禹余糧(読み)うよりょう

精選版 日本国語大辞典 「禹余糧」の意味・読み・例文・類語

う‐よりょう‥ヨリャウ【禹余糧】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 日本や中国に見られる岩石一種。小さい石が酸化鉄と結合したもの。中に空所があって粘土を含む。ハッタイ石、岩壺など多くの呼び名がある。〔大和本草(1709)〕
  3. 藤の根でつくった食物飢饉のときの食糧にした。
  4. 植物こうぼうむぎ(弘法麦)」の異名。〔薬品手引草(1778)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の禹余糧の言及

【鉄】より

…【荒俣 宏】
[鉄と古代医術]
 中国の《山海経(せんがいきよう)》には,山の北面に鉄,南面に金を埋蔵することが多いと記している。中国最古の薬学書《神農本草》には鉄(和名あらがね),鉄精(かなくそ,かねのさび),鉄落(くろがねのはだ)のほか,磁石(一名吸針石),禹余糧,太一余糧などの薬名が見え,のちに剛鉄(ふけるかね),生鉄(鋳る前の鉄),柔鉄,鉄華粉(鉄上衣)など,さまざまな名称が加わる。このなかの禹余糧と太一余糧は正倉院御物の中にあり,日本では子持石,〈いしだんご〉〈すずいし〉などと呼ばれる泥鉄鉱である。…

※「禹余糧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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