秋の扇(読み)アキノオウギ

デジタル大辞泉 「秋の扇」の意味・読み・例文・類語

あき‐の‐おうぎ〔‐あふぎ〕【秋の扇】

秋になって使わなくなった扇。あきおうぎ。
《漢の宮女班婕妤はんしょうよ君寵を失った自分を秋の扇にたとえて詩を作った故事から》男の愛を失って捨てられた女のたとえ。団雪だんせつの扇。

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精選版 日本国語大辞典 「秋の扇」の意味・読み・例文・類語

あき【秋】 の 扇(おうぎ)

  1. 秋になり、不用となった扇。捨て扇。忘れ扇。秋扇。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「敏鷹(はしだか)を手馴(たな)らす頃の風立ちて秋のあふぎぞ遠ざかりゆく」(出典:拾遺愚草員外(1240頃))
  2. ( 漢の成帝の宮女、班婕妤(はんしょうよ)が、君寵の衰えたわが身を秋の扇にたとえて詩を作った故事「文選‐怨歌行」による ) 男の愛を失った女のたとえ。
    1. [初出の実例]「古言までも思ひぞ出づる、班女が閨(ねや)の中には秋の扇の色、楚王の台(うてな)の上には夜の琴の声」(出典:謡曲・班女(1435頃))

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