科学学派(読み)かがくがくは(その他表記)École scientifique

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「科学学派」の意味・わかりやすい解説

科学学派
かがくがくは
École scientifique

フランス註釈学派を批判し,裁判官による自由な法の探求を提唱した学派。 F.ジェニーや R.サレーユ代表者であり,自由法論のフランス的形態と考えてよい。ジェニーの「自由な科学的探求」という言葉にも示されているように,法規の厳格な拘束を脱却した自由な法の探求を主張しながら,その探求が恣意を排した科学的なものでなければならないことを強調するところから,この学派の名称が生れた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 法論

世界大百科事典(旧版)内の科学学派の言及

【サレイユ】より

…〈民法典の彼方へ,しかし民法典を通じて〉という有名な言に要約されるように,伝統的な個人と自由との諸原理を尊重しつつ,法の社会化のための新たないぶきを諸法分野に投じた功績は大きい。ジェニーとともに科学学派école scientifiqueの両巨頭と並び称せられるゆえんである。【北村 一郎】。…

【自由法論】より

… フランスでは,ナポレオン法典が早く(1804)に成立した関係もあり,成文法を唯一の法源とみなし,その厳密な適用を求める注釈学派が長く支配していた。この傾向に対してサレイユジェニーらの科学学派が行った批判の運動も,ドイツの自由法論とつながりをもっていた。概念法学【上山 安敏】。…

※「科学学派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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