租税危害犯(読み)そぜいきがいはん

改訂新版 世界大百科事典 「租税危害犯」の意味・わかりやすい解説

租税危害犯 (そぜいきがいはん)

脱税犯のように租税債権を直接侵害するものではないが,租税法上の命令・禁止に違反し,租税の賦課・徴収権の正常な行使を阻害する危険があるために刑罰を科せられる行為。租税秩序犯ともいわれる。正当な理由がなく確定申告書等を提出期限までに提出しない不申告犯(所得税法241条,法人税法161条)など,課税上の協力義務に違反する犯罪と,国税庁・国税局・税務署の租税職員の質問検査権の行使による質問に対して答弁せず,もしくは偽りの答弁をする不答弁犯・虚偽答弁犯(所得税法242条8号前段,法人税法162条2号前段など)や,または検査を拒み,妨げ,もしくは忌避する検査拒否・妨害・忌避犯(所得税法242条8号後段,法人税法162条2号後段)など国税庁・国税局・税務署の租税職員の職務に障害をあたえる犯罪とに大別される。
租税犯 →脱税犯
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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