移変(読み)うつりかわる

精選版 日本国語大辞典 「移変」の意味・読み・例文・類語

うつり‐かわ・る ‥かはる【移変】

〘自ラ五(四)〙
物事が次第に変化していく。変遷する。また、時、季節がかわっていく。
源氏(1001‐14頃)鈴虫「世の中さまざまにつけて、はかなくうつりかはるありさまもおぼしつづけられて」
徒然草(1331頃)一九折節のうつりかはるこそものごとに哀なれ」
② 入れかわる。交替する。
風姿花伝(1400‐02頃)七「これ、時の間の因果二神にてましませば、両方へうつりかはりうつりかはりて」
浮世草子好色一代女(1686)四「移変(ウツリカハ)芝居の噂、狂言のうまひ仕組を実(まこと)に見なし」

うつり‐かわり ‥かはり【移変】

〘名〙
① 物事が次第に変化していくこと。変遷。〔日葡辞書(1603‐04)〕
四河入海(17C前)三「故国の遷りかはり、いかほどの治乱興亡が有るをも」
② 季節のころもがえをすること。
※歌舞伎・木間星箱根鹿笛(1880)二幕「それから互ひに深くなり、頭(つむり)の物から移(ウツ)り替(カハ)りの着物迄もして貰ひ」

うつろい‐かわ・る うつろひかはる【移変】

〘自ラ四〙
① だんだんに移動していく。移住する。
万葉(8C後)六・一〇四七「大君の 引きのまにまに 春花の 遷日易(うつろひかはり) 群鳥の 朝立ち行けば」
② だんだんに状態が変化していく。衰えていく。花などが変色していく。
※続後撰(1251)春中・一〇七「芳野山ひとつに見えし花の色のうつろひかはる峰の白雲藤原隆祐〉」

い‐へん【移変】

〘名〙 移り変わること。移しかえること。変動。転変。〔後漢書‐楊終伝〕

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