精選版 日本国語大辞典 「程村紙」の意味・読み・例文・類語
ほどむら‐がみ【程村紙】
- 〘 名詞 〙 =ほどむら(程村)
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…那須楮は茨城県北部の久慈郡大子町を中心とした久慈川流域で産出され,繊維は比較的細くて短く,繊細であるため,それを原料とした紙は温かみのある緻密(ちみつ)な紙肌となる。那須楮を使う紙は地元の西の内紙,程村紙(ほどむらがみ)のほか,越前奉書や本美濃紙(ほんみのし)などがある。本来,越前奉書は地元のコウゾや加賀楮,本美濃紙は津保草(つぼくさ)とよばれる地元のコウゾを使っていたものだが,現在は絶えてしまったので,よく似た性質の那須楮で代用している。…
…佐竹氏が支配していた中世からすでに製紙が盛んであったが,江戸時代になって水戸藩の領地となってからは徹底した紙専売制が行われたため製紙業はさらに発展した。《日本山海名物図会》(1754)には,日本の代表的な5紙として越前奉書,美濃の直紙(なおしがみ),岩国半紙とともに関東の西の内紙と程村紙(ほどむらがみ)があげられている。程村紙は栃木県那須郡烏山町ですかれる楮紙で,両地方ですき出された紙は40種以上になるが,西の内紙は別格に高く評価され,他の紙を那須紙,水戸物と称して区別するほどであった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」