稲住(読み)いなずみ

改訂新版 世界大百科事典 「稲住」の意味・わかりやすい解説

稲住[温泉] (いなずみ)

秋田県南東部,湯沢市にある温泉。雄物川の支流役内(やくない)川に沿い,神室(かむろ)山地北側の山間に位置する。緑バン泉,75℃。湯ノ岱(ゆのたい),鷹ノ湯,湯ノ又とともに秋ノ宮温泉郷をなす。以前は湯治場であったが,鬼首(おにこうべ)峠を越えて宮城県の鬼首温泉郷へぬける仙秋サンライン(国道108号線)開通(1965)とともに行楽客に親しまれるようになった。この温泉が源泉としている1km余東の荒湯には,温泉の沈殿物が魚の卵のように固まった鮞状(じじよう)ケイ石および噴泉塔があり,ともに天然記念物に指定されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の稲住の言及

【栗駒五湯】より

…栗原郡栗駒町から三迫(さんはさま)川を遡行する登山道沿いに駒ノ湯(硫化水素泉,40~43℃),新湯が,一迫(いちはさま)川沿いの花山村に温湯(ぬるゆ)(弱食塩泉,52~67℃),湯ノ倉(弱食塩泉,64~68℃),湯浜(単純泉,68℃)があって,これらを栗駒五湯と総称する。栗駒山の周囲には,ほかに岩手県の須川,秋田県の小安(おやす),稲住(いなずみ),湯ノ岱(ゆのたい)など温泉が多く,いずれも自然で素朴な温泉場風景を呈している。栗駒登山のための基地で,新緑,山菜,紅葉などの行楽地ともなっている。…

※「稲住」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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