竈神社(読み)かまどじんじや

日本歴史地名大系 「竈神社」の解説

竈神社
かまどじんじや

[現在地名]水戸市本町一丁目

備前びぜん堀の左岸にあり、祭神は奥津彦命・奥津姫命・中御方命。旧村社。創立年不詳。年未詳の吉田社神事次第写(吉田神社文書)に「十一月申日御神事御祭笛大夫電宮浮郷田地在所浜田」とある「電宮」は「竈社」の誤りともいわれる。社伝によると初め三宝荒神さんぽうこうじんと称し、水戸城の東の猪山ししやまに鎮斎されていたが、寛永三年(一六二六)赤沼あかぬま(現城東三―四丁目)に移転、元禄三年(一六九〇)さらに徳川光圀が現在地に遷座したという。社領三石余を有し末社に天神社があった。

「水府寺社便覧」に「往古水戸七社の一ツ成へし(中略)此御神往古猪山今元ト蔵御建テ被成候地辺に在宮神体ハ猪に乗り玉ひし銅像也ける由江戸家在城ノ内ハ両部ニ舟戸山今北三ノ丸中山侯居館ノ所真言宗和光院ヨリ兼帯しけるとなん夫レより後佐竹侯在城之内にもや又当御代の初メにや赤沼荒神橋ノ側ラに引宮と成にけるとなん荒神見付等の名あるをミれハ右にも云如く御代初めか夫より以前成へきやとも思ハるゝ也赤沼の旧跡ハ荒神橋の際にて(中略)赤沼町の住江幡善左衛門後是空と称ス等走廻して願ノ上元禄三年八月赤沼の旧跡より当地へ宮居を移せしと也」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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