立待月(読み)たちまちづき

精選版 日本国語大辞典 「立待月」の意味・読み・例文・類語

たちまち‐づき【立待月】

  1. 〘 名詞 〙 ( 立ちながら待っているうちに出てくる月の意 ) 陰暦一七日の夜の月。主として八月にいう。たちまち。たちまちのつき。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「立待月。十七日にて候」(出典:桂明抄(1448))
    2. 「古き沼立待月を上げにけり」(出典:草の花(1933)〈富安風生〉外遊句抄)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「立待月」の意味・わかりやすい解説

立待月
たちまちづき

立ちながら待つうちに出てくる月の意で、陰暦17日の夜の月、とくに8月のそれをいい、十七夜、立待の月ともいう。十五夜以後、月の出はしだいに遅くなり、十六夜いざよい)の月は山の端にいざよい、十七夜は立ち待つほどに出、十八夜(居待月(いまちづき))は座し居て待ち、十九夜(臥待月(ふしまちづき))は臥して待ち、二十日(更待月(ふけまちづき))には夜半近くと遅くなる。これらの呼称は、一説に、七夜待ちといって十七夜より二十三夜までの月を七観音(かんのん)に配して、月待ちの本地供(ほんじく)などを修した風習によるという。

[宇田敏彦]

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