立河(読み)たちかわ

日本歴史地名大系 「立河」の解説

立河
たちかわ

中世からみえる地名。現在の立川市付近に比定されるが、領域は判然としない。立川とも記される。「吾妻鏡」の嘉禎四年(一二三八)二月一七日条に上洛した将軍九条頼経の随兵として「立河兵衛尉」、同月二八日条には参内した頼経の随身者のうちに立河三郎兵衛尉基泰がみえる。基泰は同年六月五日に頼経の奈良春日社参詣にも供奉している(同書)。基泰は日奉氏庶流西党に属し、立河を領していた御家人であったと推定される(「日野市史」など)。天福元年(一二三三)五月日の石清水八幡宮寺申文案(「宮寺縁事抄」石清水文書)によれば、京都仁和寺領の丹後国河上品田かわかみほんだ(現京都府久美浜町)地頭立河馬允経成が寛喜元年(一二二九)山城石清水いわしみず八幡宮領の永富ながとみ(現同上)内の別宮神人を殺害したとして石清水八幡宮から訴えられていた。建治元年(一二七五)五月日の六条八幡宮造営注文(国立歴史民俗博物館蔵)に、六条八幡宮(現京都市東山区の若宮八幡宮社、中世は同市下京区に所在)の再建費用を配分された御家人として武蔵国「立河馬入道跡 六貫」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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