立石御厨(読み)たていしのみくりや

日本歴史地名大系 「立石御厨」の解説

立石御厨
たていしのみくりや

伊勢神宮領。八開村立石辺りか。木曾川左岸、河道変遷の跡の著しい下流域に位置し、不安定な立地条件下にあった。鎌倉末期の田畠注進状案(醍醐寺文書)に「立石御厨者、田畠ハ候ハす、皆野にて三百五十町の下地にて候」とあり、田畑はなく、三五〇町すべてが未墾地であった。神宮領としての成立は古く、「往古神領」といわれているが、嘉保三年(一〇九六)改めて建立され二宮領となった。供祭物として、内宮方・外宮方へそれぞれ糸一〇両と雑用八丈絹五疋を納めるものとされていた(建久三年八月付「伊勢大神宮神領注文」神宮雑書)。しかし一五世紀半ばすぎ頃の皇太神宮神領注文写(同書)では「御調絹糸無員数、時ニシタカヒ不定也、或ハ銭代」との注が付され、当初の絹・糸による供祭物は徴収が困難となり、銭納化されつつあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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