濫妨(読み)らんぼう

精選版 日本国語大辞典 「濫妨」の意味・読み・例文・類語

らん‐ぼう‥バウ【濫妨・乱妨】

  1. 〘 名詞 〙 暴力を用いて無法に掠めとること。他人のものを理不尽に強奪すること。掠奪すること。
    1. [初出の実例]「追出康忠代官、致非分濫妨之間、及所務違乱之条、難堪次第也」(出典:西宮文書‐寿永三年(1184)二月日・源康忠解案)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「濫妨」の解説

濫妨
らんぼう

乱妨とも。実力行使をともなった不当な掠奪・権利侵害のこと。とくに中世に,訴状陳状(ちんじょう)などの訴訟文書で広く用いられた。中世社会で「不当な」というのは,対立する一方当事者側が相手方行為を非難する主観的な言い分であることが多く,「濫妨」行為主体の側からは「正当な」権利にもとづく行為であると主張されることが少なくない。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android