立迷う(読み)タチマヨウ

デジタル大辞泉 「立迷う」の意味・読み・例文・類語

たち‐まよ・う〔‐まよふ〕【立(ち)迷う】

[動ワ五(ハ四)]霞・霧・煙などが立ち去らずに辺りに漂う。また、匂いなどが立ちこめる。
「駈け去った車の後に、えも云われず―・った化粧の匂い」〈荷風・すみだ川〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「立迷う」の意味・読み・例文・類語

たち‐まよ・う‥まよふ【立迷】

  1. 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙
  2. 煙、霞、霧などが、空にただよう。また、匂いがたちこめている。
    1. [初出の実例]「花の色にあまぎる霞立まよひ空さへにほふ山桜かな〈藤原長家〉」(出典:新古今和歌集(1205)春下・一〇三)
    2. 「俄に黒雲立(タチ)まよひ」(出典浮世草子日本永代蔵(1688)四)
  3. 人が大勢集まってうろうろする。
    1. [初出の実例]「細殿のひまなくたちまよひ」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android