竜ノ渡(読み)りゆうのわたし

日本歴史地名大系 「竜ノ渡」の解説

竜ノ渡
りゆうのわたし

井尻いのしり村と福島ふくしま村との間の舟渡しで、天正一七年(一五八九)の宇佐郷地検帳によれば、井尻村で渡守次良五良が七代二歩の「上ヤシキ」を給与されている。渡守は井尻村八人衆とともに弘法大師が残し置いたものと伝え、青龍しようりゆう寺の被官的存在で、近世中期にも毎年正月二日に年礼に行き、住職から年中の勤方について申渡しを受けるという慣行が守られていた。その内容は「今年中辺路ニハ無賃ニ渡シ、奥浦ヘ之船賃高直ニ不取様、其外日之入過候ハヽ公用之外ハ都不渡人、又不審成者ハ急度致詮(ママ)(様)申付候事」(「青龍寺要録」同寺蔵)というものであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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