(読み)すくまる

  • すくま・る
  • すくみ
  • すく・む
  • すく・める

精選版 日本国語大辞典の解説

〘自ラ五(四)〙 身がちぢまる。すくむ。
※宇津保(970‐999頃)国譲上「調ぶとは音にぞ聞きし琴の音をまことにかとも弾きし宵かな。立ち帰りすくまりてこそ」
※白羊宮(1906)〈薄田泣菫〉妖魔『自我』「身は物怖(ものおぢ)に竦(スク)まりき」
〘名〙 (動詞「すくむ(竦)」の連用形の名詞化)
① からだが急に硬直して身動きできなくなること。また、窮屈になること。ものごとが進行しなくなること。
※太平記(14C後)一一「矢を放つと均く、馬のすくみ直りにければ」
② 斎宮の忌詞で、仏像をいう。
[1] 〘自マ五(四)〙
① 恐れや緊張・疲労などでからだがこわばって動かなくなる。硬直して動かなくなる。すくまる。
※蜻蛉(974頃)上「足手など、ただすくみにすくみて、たえいるやうにす」
② 身をちぢめて小さくなる。
※日葡辞書(1603‐04)「ヒトノ マエデ sucunde(スクンデ) ヲル〈訳〉人々の前で何もできずに、縛られたように萎縮している」
③ こわばる。ごわごわする。
※紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一一月一七日「すくみたる衣どもおしやり、あつごえたるきかさねて」
④ かたくなである。窮屈である。
※源氏(1001‐14頃)藤裏葉「おとどの御おきてのあまりすくみて、名残なくくづをれ給ひぬるを」
⑤ 歯が抜けたりして口がゆがむ。すげむ。
※私聚百因縁集(1257)三「髪白して皺を畳て口喎(スクミ)腰屈り」
⑥ 盛んなものがしだいに衰えてうまくゆかなくなる。先細りになる。
※志都の岩屋講本(1811)上「騏麟も老いては駑馬におとる、と云ふやうに、業がすくんで来るから」
⑦ 先が細くなる。しだいにそげて小さくなる。
※評判記・満散利久佐(1656)小藤「面体、ほう高く、おとがい、すくみたり」
⑧ 世阿彌の用いた能楽の語。「突く」とは反対の感じで「納む」とは似た感じらしいが詳細は不明。
※申楽談儀(1430)音曲の心根「重衡の能に『鬼ぞ撞(つ)く成、恐ろしや』に『撞く成』と突いて云はば『をそろ』の『ろ』を納めて言ふべし。『撞く成』とすくみ云はば『をそ』の『そ』に心を入て突きて言ふべし」
[2] 〘他マ下二〙 ⇒すくめる(竦)
〘他マ下一〙 すく・む 〘他マ下二〙
① ちぢませる。すぼめる。他の動詞に付けて用いることもある。「書きすくむ」「吹きすくむ」など。
※延喜十三年亭子院歌合(913)「口すくめて肩据ゑたるやうにつぶやけり」
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「『私』と返答をして文三は肩を縮(スク)める」
② (身をちぢこませる意から転じて) 押えつける。圧迫する。
※本福寺由来記(1540頃)大谷御流破却之事「いはれざる義を申かけ、すくめ、らんばうらうぜき、ただなをざりのことにあらず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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