精選版 日本国語大辞典 「竦」の意味・読み・例文・類語
すく・む【竦】
[1] 〘自マ五(四)〙
① 恐れや緊張・疲労などでからだがこわばって動かなくなる。硬直して動かなくなる。すくまる。
② 身をちぢめて小さくなる。
※日葡辞書(1603‐04)「ヒトノ マエデ sucunde(スクンデ) ヲル〈訳〉人々の前で何もできずに、縛られたように萎縮している」
③ こわばる。ごわごわする。
④ かたくなである。窮屈である。
⑤ 歯が抜けたりして口がゆがむ。すげむ。
※私聚百因縁集(1257)三「髪白して皺を畳て口喎(スクミ)腰屈り」
⑥ 盛んなものがしだいに衰えてうまくゆかなくなる。先細りになる。
※志都の岩屋講本(1811)上「騏麟も老いては駑馬におとる、と云ふやうに、業がすくんで来るから」
⑦ 先が細くなる。しだいにそげて小さくなる。
※申楽談儀(1430)音曲の心根「重衡の能に『鬼ぞ撞(つ)く成、恐ろしや』に『撞く成』と突いて云はば『をそろ』の『ろ』を納めて言ふべし。『撞く成』とすくみ云はば『をそ』の『そ』に心を入て突きて言ふべし」
[2] 〘他マ下二〙 ⇒すくめる(竦)
すく・める【竦】
〘他マ下一〙 すく・む 〘他マ下二〙
① ちぢませる。すぼめる。他の動詞に付けて用いることもある。「書きすくむ」「吹きすくむ」など。
※延喜十三年亭子院歌合(913)「口すくめて肩据ゑたるやうにつぶやけり」
② (身をちぢこませる意から転じて) 押えつける。圧迫する。
※本福寺由来記(1540頃)大谷御流破却之事「いはれざる義を申かけ、すくめ、らんばうらうぜき、ただなをざりのことにあらず」
すくみ【竦】
① からだが急に硬直して身動きできなくなること。また、窮屈になること。ものごとが進行しなくなること。
※太平記(14C後)一一「矢を放つと均く、馬のすくみ直りにければ」
すくま・る【竦】
〘自ラ五(四)〙 身がちぢまる。すくむ。
※宇津保(970‐999頃)国譲上「調ぶとは音にぞ聞きし琴の音をまことにかとも弾きし宵かな。立ち帰りすくまりてこそ」
※白羊宮(1906)〈薄田泣菫〉妖魔『自我』「身は物怖(ものおぢ)に竦(スク)まりき」
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