第二信号系(読み)ダイニシンゴウケイ

デジタル大辞泉 「第二信号系」の意味・読み・例文・類語

だいに‐しんごうけい〔‐シンガウケイ〕【第二信号系】

パブロフ人間言語機能条件反射視点から呼んだ言い方。直接経験による条件反射を第一信号系というのに対し、第一信号系を基礎にことばによって間接的に学習する言語条件反射をいう。

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精選版 日本国語大辞典 「第二信号系」の意味・読み・例文・類語

だいに‐しんごうけい‥シンガウケイ【第二信号系】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] second signal system の訳語 ) 言語を媒介とする高度な信号の体系感覚刺激となる反応の体系を第一信号系というのに対して、第一信号系を基礎として条件反射の働きで獲得される、言語刺激が用いられた結合の体系。パブロフの条件反射の理論なかで、人間の学習を解明する基礎概念。→条件反射

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世界大百科事典(旧版)内の第二信号系の言及

【記号】より

…もっとも広い意味での記号とは,〈ある事物・事象を代理するもの〉のことをいう。この代理の生理学的メカニズムはI.P.パブロフによって明らかにされた。食物摂取による唾液分泌は無条件反射だが,犬に食物を与える際にブザーの音を聞かせておくと,犬はブザーの音を聞いただけでも唾液を分泌するようになる。これを条件反射といい,ブザーの音は食物・食事の記号ということができる。パブロフは視覚,聴覚,触覚などの刺激とその条件反射を第1次信号系,自然言語とその発話にともなう諸反応を第2次信号系と名づけた。…

【信号】より

…信号には,たとえば〈行け〉という表現のように言葉によってその意味を伝達する〈言語的信号〉と,表情や身ぶりによってそれを伝達する〈非言語的信号〉がある。パブロフは,動物が条件反射によって獲得した信号を〈第1信号系〉と呼び,人間の言語をとくに〈第2信号系〉と呼んで区別している。また,話し手が相手に情報を伝えるため意図的にこれを用いる〈意識的信号〉と,伝達の意思はないのに怒りや喜びなどの感情が相手に伝わる〈無意識的信号〉を区別できる。…

※「第二信号系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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