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条件反射 じょうけんはんしゃ conditioned reflex

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

条件反射
じょうけんはんしゃ
conditioned reflex

I.P.パブロフの用語。口の中に食物を入れると唾液が出るのは生得的な反射であるが,たとえばイヌにベルの音を聞かせてから餌を提示する訓練を繰返すと,ベルの音を聞かせただけで唾液を出すようになる。

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デジタル大辞泉の解説

じょうけん‐はんしゃ〔デウケン‐〕【条件反射】

ある反射を起こさせる刺激と、それとは無関係な第2の刺激を同時に与えることを繰り返すと、ついには第2の刺激だけで初めと同じ反射を起こす現象。犬にえさとベルの音を同時に与えつづけると、ついにはベルの音だけで唾液(だえき)や胃液が分泌されることなど。ソ連の生理学パブロフが発見した。→無条件反射

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百科事典マイペディアの解説

条件反射【じょうけんはんしゃ】

学習の基本過程の一つ。経験の結果,与えられた特定の刺激に対して常に起こる反応をいう。イヌに餌を与えると唾液(だえき)の分泌が起こるが,I.P.パブロフはイヌに餌を与える前にいつもメトロノームの音を聞かせると,やがてメトロノームの音だけでも唾液分泌が起こることを確かめた。
→関連項目行動主義行動療法

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栄養・生化学辞典の解説

条件反射

 ある条件に対して生体のある機能を対応させることを学習させると,条件が示されただけで応答がみられるようになる現象.たとえば,ベルを鳴らすと餌を与えるということを学習させると,動物は唾液を出すようになる.すると,ベルを鳴らすだけで餌を与えなくても唾液が出るという現象がみられる.この現象.

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世界大百科事典 第2版の解説

じょうけんはんしゃ【条件反射 conditioned reflex】

I.P.パブロフによって研究,発見された学習現象の一種で,学習の最も基本的な型をなすと考えられている。パブロフ条件反射は生理学の領域から出発したが,それは諸方面,とくに心理学に大きな影響を与えた。現在,心理学では,生理学的単位としての反射にとどまらず,生活体の諸反応を含む行動を取り扱うこともあって,条件反射の代りに,より広義の条件反応conditioned responseということばが用いられる。

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大辞林 第三版の解説

じょうけんはんしゃ【条件反射】

〘心〙 一定の訓練や経験によって後天的につくられた反射をいい、先天的な反射(無条件反射)に対する語。反射を誘発する刺激(無条件刺激)と同時に、それとは無関係な別の刺激(条件刺激)を繰り返し与えると、その無関係な刺激だけでも反射が誘発されるようになる現象。犬にベルの音と同時に餌えさを繰り返し与えると、ベルの音を聞いただけでも唾液を流すようになるのはこの例。パブロフにより研究、命名された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

条件反射
じょうけんはんしゃ
conditioned reflex

生まれつき備わっている反射に対して、後天的に獲得する反射をいう。条件反射は、ロシアの生理学者パブロフが大脳生理学の研究手段として開発したものである。イヌに食物を与えると唾液(だえき)の分泌がおこるが、このような反射は生まれつきのものであり、「無条件反射」とよばれる。一方、イヌに一定の音を聞かせながら食物を与えることを繰り返すと、音を聞かせただけで唾液が分泌されるようになる。本来、音と唾液の分泌とは無関係なものであるが、音を聞かせることによって唾液が分泌されるという新しい反射が形成されたわけであり、これを「条件反射」という。この場合、音を「条件刺激」とよび、食物のような無条件反射の原因となるものを「無条件刺激」という。また、条件刺激によって反射がおこるようにすることを「条件づけ」といい、この例のように、与えられた刺激に対して受動的な条件反射が形成される場合を「古典的条件づけ」という。以上がパブロフの条件反射であるが、これに対して、アメリカの心理学者スキナーは、ネズミがレバーを押した場合にのみ餌(えさ)を与えるようにすると、レバーを押して餌を手に入れることを習得することに着目した。このように、積極的に環境条件に対応するようになる場合を、「古典的条件づけ」に対して「道具的条件づけ」または「オペラント条件づけ」という。[鳥居鎮夫]

条件反射の性質

(1)汎化(はんか) ある条件刺激(たとえば1000ヘルツの音)に対して条件反射が形成されると、それに類似した刺激(たとえば800ヘルツの音)に対しても反応をおこすようになる。この現象を汎化という。(2)分化 1000ヘルツの音を聞かせたときは餌を与え、500ヘルツの音を聞かせたときは餌を与えないという操作を繰り返すと、前者の音を聞くと唾液は分泌されるが、後者の音では唾液が分泌されないようになる。この現象を分化という。(3)制止 条件刺激と同時に、突然他の強い刺激を与えると条件反射がおこらなくなる。これを外制止という。また条件反射を抑制する過程が動物の脳の中で自然に形成されていく場合がある。これを内制止という。たとえば、条件刺激とともに無条件刺激を同時に与えて(これを強化という)、条件反射を形成したあと、強化せずに条件刺激のみを引き続き繰り返すと、条件反射がおこらなくなる。これを消去という。しかし、この場合はかなりの時間を経てふたたび条件刺激を与えると条件反射がおこることから、短時間に繰り返された条件刺激が一時的に内制止を引き起こしたと考えられる。また、条件刺激と無条件刺激との間に時間を置くと条件反射の潜時が延びる。これを延滞条件反射という。潜時中は強い内制止が発生し、それが高度になると睡眠がおこる。[鳥居鎮夫]

条件反射のメカニズム

パブロフは、条件反射は大脳皮質に新しい結合が成立することによって形成されると考えた。たとえば、イヌに食物を与えるたびに電灯をつけると、電灯をつけるだけで食物を与えなくても唾液分泌がおこるが、この場合の条件反射の形成過程は次のように模式化できる。電灯は目に作用し、大脳皮質後頭葉の視覚中枢を興奮させる。他方、餌は舌に作用して脳幹の唾液分泌の中枢を興奮させて、唾液腺(せん)へ指令を送ると同時に、大脳皮質の味覚中枢をも興奮させる。これらの過程が同時に繰り返しおこっていると、大脳皮質の視覚中枢と味覚中枢との間に新しい結合が成立することとなる。つまり、電灯の作用は大脳皮質の視覚中枢から味覚中枢を経由して、脳幹の唾液分泌中枢に伝えられ、そこから無条件反射の場合と同じような指令が唾液腺に行くようになるというわけである。このようなメカニズムは、大脳皮質ばかりでなく、大脳の各部分の間に必要に応じて生ずることは、日常の経験からも推察しうることである。こうした大脳の機能は固定されたものではなく、変化しうるものであり、これを可塑性とよんでいる。条件反射の研究はこの可塑性に関する法則を追究するものであるといえよう。
 パブロフは条件反射を第一および第二信号系に分け、動物にみられる直接経験による条件反射を第一信号系、直接に経験しないことでもことばによって間接的に学習する言語条件反射を第二信号系とよんだ。ヒトは第二信号系を用いることによって、個人が獲得した経験を他人に伝えることができるわけである。映画、演劇、文学作品などは第二信号系によって情緒反応をおこし、感銘を与えるということができる。[鳥居鎮夫]

実験神経症

イヌに条件刺激として円を見せたときに餌を与え、楕円(だえん)を見せたときは餌を与えないように訓練し、しだいに楕円を円に近づけていくと、やがて円と楕円の区別ができなくなり、混乱がおこる。イヌの行動は突然変化し、円を見せても楕円を見せても唾液を流して刺激から逃れようとするため、それ以上の実験はできなくなる。このような状態を実験神経症といい、興奮と抑制の神経過程の衝突によって引き起こされるものである。[鳥居鎮夫]

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世界大百科事典内の条件反射の言及

【条件づけ】より

…また,この型の学習では2種の刺激の組合せ(連合)が重要であり,連合学習associative learningという。この学習のモデルとして,I.P.パブロフの条件反射を原型とする古典的条件づけと,E.L.ソーンダイクの道具的条件づけがある。これらはともに二つの過程の連合が重要で,古典的条件づけでは2種の刺激の連合が,道具的条件づけでは動物の反応とそれを基準とした強化刺激の連合が重要となる。…

【パブロフ】より

…この間,血液循環の生理についての研究が中心であったが,消化の生理学的研究に移り,消化腺の研究や膵臓分泌神経の発見(1888)などの業績をあげた。95年,軍医学校の生理学教授となり,大脳や高次神経の研究に着手し,1902年からは条件反射についての研究を行い,有名なイヌを使った条件反射の実験を行った。パブロフの基本的な態度は,精神現象を生理学的な法則で統一しようというものであり,その意味でワトソンらの行動主義心理学に大きな影響を与えた。…

【反射】より

…今日知られているような〈反射弓〉を介して行われる反射の生理学の全容が解明されるにあたっては,シェリントンCharles Scott Sherrington(1857‐1952)およびその学派の功績に負うところが大きい。 反射には経験や学習によって後天的に形成される条件反射と生得的な無条件反射がある。ふつう反射という場合には,このうちの無条件反射のみをさすことが多い。…

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