笹山金山跡(読み)ささやまきんざんあと

日本歴史地名大系 「笹山金山跡」の解説

笹山金山跡
ささやまきんざんあと

[現在地名]静岡市上坂本・小河内岩崎など

現在の井川いかわ湖北東にそびえる笹山(一七六三・三メートル)一帯にあった金山。井川金山の一つ。永正一八年(一五二一)五月四日の今川氏親朱印状(村岡文書)によると、駿府浅間社(静岡浅間神社)社家の村岡大夫は「井河河堰」の草の下刈を認められている。河草の下刈は砂金採集のもので、井川金山の採取権を認めたものといえよう(→井河。「駿河志料」に笹金山とみえ、里人の覚書に今川氏時代の享禄年中(一五二八―三二)に盛んに金を出したとある。「駿河記」によると、かつては金砂が多く出て、「上坂本と岩崎の際の後山の平に、金掘役夫の小屋を多く建連て、国府より米穀・塩・醤其外諸色を運送し、妓女等まで呼集めて賑々敷繁昌なせし」という状況を呈したが、貞享(一六八四―八八)以来減少したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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