示談(読み)じだん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

示談
じだん

民事上の紛争を裁判外で解決する契約。談の内容に当事者互譲が含まれていれば,その法的性質は和解 (民法 695) となる。示談には裁判上の和解のように訴訟を終了させる効力はなく,当事者は示談の成立した事実を単に裁判上の攻撃防御方法として提出しうるにすぎない。なお,交通事故につき示談が成立したのち,被害者に後遺症が現れた場合について,判例は,示談成立当時に予想できなかった損害については,あとからでもその賠償請求をすることができるものとしている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

じ‐だん【示談】

話し合いで決めること。特に、民事上の紛争を裁判によらずに当事者の間で解決すること。「示談が成立する」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

示談【じだん】

(1)裁判外において民事上の紛争を解決すること。当事者が互いに譲歩する和解による場合や仲裁による場合,さらに第三者機関による斡旋を法律が特に予定している場合もある。裁判上の和解と異なり当然に訴訟を終了させる効力はない。(2)刑事訴訟法上,被告人側と被害者側とが示談した場合,告訴権が放棄されたことになるか否かが問題となる。通説は,告訴権の放棄は告訴の取消しと同一手続によるべきであり,示談だけでは告訴権の放棄にならないとする。
→関連項目裁判外紛争処理調停

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

じだん【示談 private settlement】

民事上の法的紛争を裁判所の関与をへずに当事者間で解決する旨の和解契約。公正証書による場合には,一定の条件の下で,そのまま強制執行可能となるが,そうでない通常の示談は裁判上の和解(〈起訴前の和解〉または〈訴訟上の和解〉)と異なり,争いを法律上最終的に終了させる効力はなく,のちに紛争が再発したときは,当事者が裁判所に訴訟を提起することを妨げず,その場合は当事者は,これこれの内容の示談が成立していることを攻撃防御の方法として提出できるにすぎない。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

じだん【示談】

( 名 ) スル
争いをやめて話し合うこと。
民事上の紛争に関し、裁判によらずに当事者間に成立した和解契約。 「訴訟なぞ止めて、-することに忠告したらば/良人の自白 尚江

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

示談
じだん

民事上の紛争について裁判外で当事者間に成立した和解契約のことをいう。交通事故などの不法行為による損害賠償について、その賠償額や支払い方法などをめぐっての争いや、定められた時期に土地や家屋を引き渡さないときに生ずる私法上の争いを解決するために、当事者間の話し合いで互いに譲り合って、ある程度の満足を受けることになれば、最終的解決方法としての訴訟にする必要はなくなるわけである。当事者が裁判外でこのような話し合いをすることを一般に示談といっている。この示談は、訴訟が進行中であってもなすことができるが、訴訟上の和解とは異なり、それによっては当然に訴訟が終了するものではなく、その結果を裁判所に攻撃防御方法として提出できるだけである。したがって、示談書は、裁判上の和解(訴訟上の和解や起訴前の和解)調書のように確定判決と同一の効力をもつものではない(民事訴訟法89条・267条・275条1項、民事訴訟規則169条)。ただ多くの場合には、この和解契約が結ばれたことを証明することによって、それ以上、訴訟を続ける意味がなくなったと判断されれば、訴えを退けてもらうことができることになろう。これに対して、訴訟上の和解や起訴前の和解は、前記のように、それが調書に記載されると、確定した判決と同一の効果が認められ、執行が必要な場合には、それに基づいて強制執行もできるなどの強い効力が与えられている(民事執行法22条)。[内田武吉・加藤哲夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大阪桐蔭高等学校

大阪府大東市にある男女共学の私立高校。1983年、大阪産業大学高等学校(現・大阪産業大学附属高等学校)の分校として設置され、1988年に現名称で独立した。神奈川県横浜市にある桐蔭学園高等学校とは無関係...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

示談の関連情報