筋痙縮(読み)きんけいしゅく(その他表記)muscle spasticity

改訂新版 世界大百科事典 「筋痙縮」の意味・わかりやすい解説

筋痙縮 (きんけいしゅく)
muscle spasticity

筋緊張(筋トーヌス)の亢進した状態の一つ。筋痙縮では,安静時には四肢筋肉はふつう弛緩した状態にあるが,他動的に筋肉を伸ばそうとすると抵抗を感じ(これは伸展反射stretch reflexによる),さらに伸展速度を増すとそれに伴って抵抗が強まる。つまり伸展反射の亢進した状態になっている。典型的な例では,ある程度抵抗が強くなったところで急激に抵抗がなくなる〈折りたたみナイフ現象clasp knife phenomenon〉がみられる。筋痙縮は,脳卒中による片麻痺脊髄損傷による対麻痺など,随意運動をつかさどる錐体路系の障害で出現する。

 なお実際上は筋固縮muscle rigidityと共存している場合もあり,そのような場合は強剛痙縮(固痙縮rigospasticityと呼ぶ。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 水沢

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む