筑紫奥(読み)ツクシノオク

デジタル大辞泉 「筑紫奥」の意味・読み・例文・類語

つくしのおく【筑紫奥】

狂言道連れになった筑紫の奥の百姓丹波の百姓とが、一緒に都の領主年貢を納め、作っている田の分だけ笑えと命令され、笑ってお酒を頂く。

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精選版 日本国語大辞典 「筑紫奥」の意味・読み・例文・類語

つくしのおく【筑紫奥】

  1. 狂言。各流。筑紫の奥の百姓と丹波の百姓が道連れになり、いっしょに上頭(うえとう)に年貢をおさめるが、作っている田の分だけ笑えとの命令で、筑紫は二回、丹波は一回半笑い、お酒をいただいて帰る。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「筑紫奥」の意味・わかりやすい解説

筑紫奥
つくしのおく

狂言の曲名。脇(わき)狂言・百姓(ひゃくしょう)物。筑紫の奥の百姓が在京領主のもとへ年貢の唐物(からもの)(中国渡来品)を持って上京の途中、これも年貢の柑橘(かんきつ)類を同じ屋形(やかた)へ納めに行く丹波(たんば)の国の百姓(シテ)と道連れになる。屋形の奏者(取次役)は、領主が、遠く隔たった両国の者が同時に年貢を納めたのを喜び、めいめいその品々をいえとの意向だと伝える。2人は、年貢の品目を述べたて、万雑公事(まんぞうくじ)(諸課税)を免除される。ところがさらに、田一反につき一笑いせよとの命である。二反耕作している筑紫の奥の百姓が二笑いすると、丹波の百姓は二笑い目に途中で急にやめてしまう。一反半なのである。さて帰りかけた両人が立ち戻り、奏者も誘って3人いっしょに笑って終曲する。めでたさ本位の脇狂言らしい曲。

[小林 責]

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