筒井城(読み)つついじょう

日本の城がわかる事典 「筒井城」の解説

つついじょう【筒井城】

奈良県大和郡山市筒井町にあった平城(ひらじろ)。戦国時代、郡山城に移るまで筒井氏の本城。筒井城は、1430年(永享2)に筒井順永によって築かれ、順慶(じゅんけい)まで7代にわたって筒井氏代々の居城であった。戦国時代には珍しい平城で、平地部に築かれた中世の城としては比較的規模が大きく、筒井の集落を囲む形で筒井城があった。1565年(永禄8)から1568年(永禄11)の間、筒井城周辺で松永久秀(ひさひで)と筒井順慶は3度にわたる攻防戦を繰り広げた。順慶は2度にわたって筒井城を奪われ、筒井城は多聞山城信貴山城に次ぐ松永軍の拠点になった。1571年(元亀2)に順慶は辰市城の合戦で松永軍を破り、筒井城を取り戻した。その後、織田信長軍に協力して信貴山城にこもる松永久秀を攻め滅ぼし、筒井城大改修のために多聞山城の石垣などを移築したが、1580年(天正8)大和国一城令により順慶は居城を郡山城に移し、筒井城を廃した。現在、筒井城跡宅地畑地水田になり、本丸跡の畑に「筒井順慶城址」の石碑が建っている。近鉄橿原線筒井駅から徒歩10分。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

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