森林や農地などとともに土地利用上の地目の一つで、建築物の敷地に供するものとして登録されている土地。日本の国土は約3779万ヘクタールで、そのうち森林が2507万ヘクタール(66.3%)、農地が461万ヘクタール(12.2%)を占めており、宅地は189万ヘクタール(5.0%)で、対前年比0.5%増加している(2009)。宅地の内訳は、住宅地115万ヘクタール(3%)、工業用地16万ヘクタール(0.4%)、事務所・店舗などのその他の宅地59万ヘクタール(1.6%)となっており、住宅地は面積および構成比ともに漸増傾向が続いている。しかし全国の宅地供給量の推移をみると、高度経済成長期の1972年(昭和47)の2万3400ヘクタールをピークとして、直後の急激な低下の後、年々漸減し、2009年(平成21)には4400ヘクタールにまで落ち込んでいる。
地価は経済成長とともに急速に上昇し、1991年(平成3)にバブル経済の頂点に達したが、その崩壊とともに急激な低落を記録した。三大都市圏の住宅地価の変動率をみると、1976年を起点(0)として、1989年には47%の高騰を示した後、2003年に-15%にまで低落。その後徐々に上昇の傾向をたどったが、2008年のリーマン・ショック以降、下落が続いている。住宅需要が充足し、14%もの空き家が発生していること、さらに長期的には人口減少が確実に見通されていることなどから、宅地価格の全般的な上昇はおこらないのではないかと予想される。しかしながら一方、住宅需要者の持ち家指向は81.3%、戸建て指向も74.1%と、年々減少傾向にあるものの依然として高く、宅地需要の根強さを示している(2010年、国土交通省調査)。
住民に快適な都市生活を保障するための土地の合理的な利用を図るのが都市計画であり、日本では都市計画法と建築基準法が一体となって構成されている。都市計画には事業的側面と規制的側面があり、第二次世界大戦前から事業的側面が優位に置かれてきたが、戦後、この傾向がいっそう強くなった。事業制度の代表は土地区画整理事業と都市再開発事業である。土地区画整理事業は宅地の区画割を整理し、換地処分を行い、減歩(げんぶ)によって生み出した保留地を公共施設の整備と事業費の捻出(ねんしゅつ)にあてる制度である。事業主体は地方公共団体のタイプと地権者等からなる団体のタイプとがある。
他方、規制的制度の代表としては、都市計画法の開発許可制度や地方自治体による宅地開発指導要綱があげられる。開発許可制度は良好な開発への誘導を目的としている。宅地開発指導要綱はスプロール(都市の無秩序な拡大)的な開発を防ぎ、公共公益施設の整備とのバランスのとれた宅地開発へ誘導する行政指導である。
都市計画は国主導から自治体主導へ転換しつつあり、1992年の都市計画法の改正により、「都市マスタープラン」を市町村が定めて実施することになった。今後はこれに市民が参加して「まちづくり」に発展させる方向が打ち出されている。
[巽 和夫]
『原田純孝編『日本の都市法』Ⅰ・Ⅱ(2001・東京大学出版会)』▽『五十嵐敬喜・野口和雄・萩原淳司著『都市計画法改正――「土地総有」の提言』(2009・第一法規)』▽『国土交通省編『土地白書平成23年版』(2011)』
家地(やち)とも。田令・戸令などに規定された古代の居住用地。唐令とは異なり班給規定はないが,国郡司に券文をたてて申請すれば売買でき,相続の対象ともなり,質入れも可能で,寺院への施入を禁じるなど,私有権の強い土地であった。規模はさまざまであるが,藤原京への遷都に際して官人百姓の上戸に1町,中戸に半町,下戸に4分の1町が支給されている。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…本来〈園地(えんち)〉〈園〉〈園圃〉は,水稲以外のものを栽培する土地に与えられた律令用語であった。宅地と一括して園宅地として理解する説もあるが,園地と宅地は同質ではない。田令の園地条によれば,〈凡そ園地を給ふは,地の多少に随ひて均しく給へ。…
※「宅地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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