箱枕(読み)ハコマクラ

精選版 日本国語大辞典 「箱枕」の意味・読み・例文・類語

はこ‐まくら【箱枕】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 箱形の木枕。台形の箱の胴の上に、小枕という小さいくくり枕をのせ、その上に枕当て紙を重ねて結んで用いる。うるし塗の胴に金銀蒔絵などをしたものや、胴にひき出しなどがついたものもあった。
    1. 箱枕<b>①</b>〈春色辰巳園〉
      箱枕〈春色辰巳園〉
    2. [初出の実例]「明の雪見松ぞ十かへり箱枕〈丸龍〉」(出典:俳諧・東日記(1681)坤)
  3. ( 三味線の箱を枕にするの意 ) 芸妓が売春すること。
    1. [初出の実例]「土産 筥(ハコ)まくら 重箱」(出典:洒落本・六丁一里(1782)歌妓州)

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百科事典マイペディア 「箱枕」の意味・わかりやすい解説

箱枕【はこまくら】

江戸時代男女ともに髷(まげ)を結うようになったため工夫された枕。木製の箱の上に小さな括(くくり)枕(筒状の布にそばがらなどを詰めたもの)を載せたもので,髪形のくずれを防ぐため,首のつけねにあてがう。
→関連項目

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世界大百科事典(旧版)内の箱枕の言及

【枕】より

…入れ子枕は箱を五つ,または七つ入れ子に作り,好みの高さのものを使うもので夢想枕ともよぶ。また沖縄にはフジョー(宝蔵)とよぶ蓋付きの箱枕があり,中が貴重品入れとなっているがこれなども木枕系であろう。 薦枕系は最初は篠,菅,稲,蔓などをただ束ねただけであったようだが,やがてこれらの草をこもに編んで巻いたり,巻いた中にさらに草を詰めたりするようになった。…

※「箱枕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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