篠本城跡(読み)ささもとじようあと

日本歴史地名大系 「篠本城跡」の解説

篠本城跡
ささもとじようあと

[現在地名]光町篠本

小規模な谷津奥に位置する標高約三六メートルの舌状台地全体に立地する。南北一九〇メートル・東西一六〇メートルの規模を有し、台地全体を城山じようやまとよぶ。こうした地名から城跡と認識されてはいたが城跡にかかわる史料類や伝承もなく、また城郭遺構も土塁の残欠が一部残されていたにすぎなかった。しかし平成五年(一九九三)一月から三年近くにわたって全面発掘調査が実施された。その結果、人為的に埋戻された空堀が多数検出され、城内は四ヵ所の郭と一〇ヵ所ほどの屋敷地に区画されていたことが判明した。また多量の中世陶磁器や五輪塔・宝篋印塔などの石塔類が伴出したことにより、城内では日常生活が営まれ墓域が設定されていたことも明らかになった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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