米ノ津町(読み)こめのつまち

日本歴史地名大系 「米ノ津町」の解説

米ノ津町
こめのつまち

[現在地名]出水市米ノ津町

近世、下鯖淵しもさばぶち村に属した浦町。米ノ津川の河口に発達した湊、米ノ津を中心として形成された。米ノ津湊は文禄検地の目録(出水郷土誌)に「木と米ノ津」とあって木材や米を積出した湊と解されており、「三国名勝図会」では「出水川の海口にして舟舶泊繋の良港なり」とみえる。長谷場越前自記(旧記雑録)や勝部兵右衛門聞書(同書)などによると先に豊後大友氏から離れて島津氏にくみした肥後隈本くまもと(熊本)城主城氏支援のため、島津の軍勢は天正八年(一五八〇)六月「米の津」を出港、諸所の島を伝って肥後高橋たかはし(現熊本市)に着船、のち隈本城に入っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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