粕淵村(読み)かすぶちむら

日本歴史地名大系 「粕淵村」の解説

粕淵村
かすぶちむら

[現在地名]邑智町粕淵

北流していた江川が大きく蛇行して南へ流れを変える右岸にある。江川支流の尻無しりなし川を北西に遡上すると湯抱ゆがかえ村、江川支流の早水はやみ川を北東に遡上すると安濃あの志学しがく(現大田市)に至る。江川舟運の要衝であるとともに銀山街道の継立場であった。江川沿いに開けた町場は小原おばらといわれ、早水川支流の野間のま川流域に枝郷野間がある。銀山御囲村に指定されていた。中世には佐波さわ郷に含まれ、正平九年(一三五四)一〇月一九日の佐波実連譲状(長門中川四郎氏所蔵文書)では「佐波郷の内くほ・お原両村」が実連の次男善次郎四郎常連に永代譲与されている。

元禄一〇年(一六九七)石見銀山領村々覚によれば田方二四三石余・畑方一五三石余、年貢高は米一三六石余・銀一貫一九六匁、小物成は酒場役一〇匁・山手役四二匁など、家数は本家一〇〇・門屋六八、人数七一五。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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