ABO式血液型(読み)えーびーおーしきけつえきがた

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ABO式血液型」の意味・わかりやすい解説

ABO式血液型
えーびーおーしきけつえきがた

1900年ランドシュタイナーらが発見した世界最初の血液型で、ヒト血清中の抗Aおよび抗B抗体に対する凝集有無によって、A型、B型、AB型O型に大別される。各民族によって差があるが、日本人の頻度は、ほぼA型40%、B型20%、AB型10%、O型30%である。他の血液型と異なり、赤血球のみならず、全身組織細胞や分泌液中にも型物質が分布しており、またヒト血清中に血液型抗体が規則的に常在している。臨床医学的には、輸血時の不適合輸血による障害、妊娠時に個体間の型の違いが考慮されるもっとも重要な血液型の一つである。

[小谷淳一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ABO式血液型」の意味・わかりやすい解説

ABO式血液型
エービーオーしきけつえきがた
ABO blood groups

最初に発見された最も代表的な血液型。 1901年オーストリアの病理学者 K.ラントシュタイナーらによって,ヒト血液の同種凝集反応により発見された。O,A,B,ABの4種類の型があり,赤血球中の凝集原と血清中の凝集素の有無によって各血液型が決まる。輸血の際には,同型輸血が原則である。やむをえないときは,受血者の血清の凝集素が供血者血球の凝集原と凝集反応を起さないような組合せで輸血を行なってもよいとされたが,現在はほとんど行われない。日本人ではO,A,B,AB型の頻度は,ほぼ 3:4:2:1 の割合となっている。

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