(読み)トウ(その他表記)sugar

翻訳|sugar

デジタル大辞泉 「糖」の意味・読み・例文・類語

とう【糖】[漢字項目]

[音]トウタウ)(漢) [訓]あめ
学習漢字]6年
サトウキビなどから製した甘味料。「糖衣黒糖砂糖精糖製糖白糖
炭水化物うち、水に溶け、甘味のあるもの。「糖類糖尿病果糖乳糖単糖類麦芽糖
[名のり]あら

とう〔タウ〕【糖】

水に溶けやすく、甘味のある炭水化物糖分

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精選版 日本国語大辞典 「糖」の意味・読み・例文・類語

とうタウ【糖】

  1. 〘 名詞 〙
  2. とうるい(糖類)」の略。〔医語類聚(1872)〕
  3. 糖類のうち水溶性で甘味のあるものをいう。果糖・ぶどう糖などの単糖類、蔗糖・麦芽糖などの少糖類がある。
    1. [初出の実例]「くだもののあめ如何、糖とつくれり」(出典:名語記(1275)六)

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普及版 字通 「糖」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

(旧字)
16画

(異体字)
18画

[字音] トウ(タウ)
[字訓] あめ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(唐)(とう)。〔説文新附〕七上に「(あめ)なり」という。〔説文〕五下に「(たう)は(おこし)に和するなり」とあり、古くはといった。暢(の)びるものの意であろう。よりやや柔らかいものをいう。

[訓義]
1. あめ、乾糖。
2. 砂糖。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 阿米(あめ) 〔名義抄 アメ 〔立〕 アメ

[語系]
)dang、zyangは声近く、〔広雅・釈器〕に「なり」という。〔詩、周頌、有瞽〕の〔箋〕に、売りが簫管を吹きながら、街を流して歩くことがみえる。

[熟語]
糖花・糖漿・糖食・糖人・糖精・糖霜・糖皮・糖密・糖酪・糖粒・糖滷
[下接語]
果糖・血糖・乾糖・熬糖・黒糖・砂糖・湿糖・糖・精糖・製糖・粗糖・霜糖・軟糖・乳糖・白糖・薬糖

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「糖」の意味・わかりやすい解説


とう
sugar
saccharose

単糖を構成成分とする化合物総称で、糖質とか糖類ともよばれる。狭義には、このなかの水溶性で甘味のあるものの総称である。狭義の糖には単糖と大多数の少糖が含まれるが、代表的なものはショ糖サッカロース)とグルコースである。サッカロースを主成分とした甘味料が、いわゆる砂糖である。

 このほか、血糖や精糖などのように問題とする特定の糖(グルコースやサッカロース)をさす場合もあり、配糖体糖タンパク質などのように単糖および概念上の単糖をさしたり、また、化学的な本来の糖とは無関係に甘味のある物質をいう場合もある。

[村松 喬]

『浅岡久俊著『化学セミナー14 糖質』(1986・丸善)』『東京大学化学実験室編『理工系大学 基礎化学実験』(1988・講談社)』『Gardner W. Stacyほか著、後藤良造・世良明訳『生命科学のための有機化学』(1990・東京化学同人)』『桜井直樹ほか著『植物細胞壁と多糖類』(1991・培風館)』『小川智也・楠本正一編『糖 その多様性を探る』(1992・化学同人)』『大西正健著『生命にとって糖とは何か――生命のカギ・糖鎖の謎を探る』(1992・講談社)』『西口毅著『現代の生活と物質』(1996・化学同人)』『新家龍ほか編『食品成分シリーズ 糖質の科学』(1996・朝倉書店)』『中西一弘ほか著『生物分離工学』(1997・講談社)』『畑中研一ほか著『糖質の科学と工学』(1997・講談社)』『片岡栄子ほか編著『栄養学・食品学を学ぶヒトのための食品化学実験』(1998・地人書館)』『日本応用糖質科学会東日本支部監修、日高秀昌・坂野好幸編『健康の科学シリーズ8 糖と健康』(1998・学会センター関西)』『ニューフード・クリエーション技術研究組合編『食品素材の機能性創造・制御技術――新しい食品素材へのアプローチ』(1999・恒星社厚生閣)』『食品産業環境保全技術研究組合編『食品産業における副産物等の未利用資源の有効利用技術を探る』(1999・恒星社厚生閣)』『木曽真編著『生理活性糖鎖研究法』(1999・学会出版センター)』『管理栄養士国家試験21委員会編『これであなたも管理栄養士5 食品学・食品加工学・調理学』(2001・講談社)』『相本三郎・赤路健一著『生体分子の化学』(2002・化学同人)』『林淳三編著、木元幸一ほか著『基礎栄養学』(2003・建帛社)』『太田博道・柳川弘志編著『生命科学への招待――生命機能の科学と工学の最前線』(2003・三共出版)』

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百科事典マイペディア 「糖」の意味・わかりやすい解説

糖【とう】

一般に単糖類と少糖類(炭水化物)をさす。大部分無色固体で,水に溶け,甘味をもち,熱に不安定。重要なものに,ブドウ糖果糖ガラクトースマンノースリボース,アラビノース,キシロース(以上単糖類),ショ糖乳糖麦芽糖ラフィノーススタキオース(以上少糖類)などがある。
→関連項目ヌクレオシド

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改訂新版 世界大百科事典 「糖」の意味・わかりやすい解説

糖 (とう)
sugar

もともとは天然の甘味成分に対して与えられた漠然たる用語であるため,場合により多少違った意味で用いられる。(1)もっとも厳密には糖類saccharideのうち水溶性で甘味をもつものの総称で,単糖と多くの少糖を含める。(2)糖類一般,つまり単糖,少糖,多糖を含める。(3)さらに広く糖質一般,つまり炭水化物を指すこともある。
多糖 →炭水化物 →単糖
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栄養・生化学辞典 「糖」の解説

 →糖質

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「糖」の意味・わかりやすい解説


とう

炭水化物」のページをご覧ください。

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