糸宿(読み)イトヤド

デジタル大辞泉 「糸宿」の意味・読み・例文・類語

いと‐やど【糸宿】

娘宿の一。夜間、娘たちが集まって麻糸を紡いだり糸引き仕事をしたりする集会所糸引き宿。よなべ宿。

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精選版 日本国語大辞典 「糸宿」の意味・読み・例文・類語

いと‐やど【糸宿】

  1. 〘 名詞 〙いとひきやど(糸引宿)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「糸宿」の意味・わかりやすい解説

糸宿
いとやど

糸引(いとひき)宿、苧績(おうみ)宿ともいう。古い時代、糸といえば麻のことで、麻を紡ぐことは女の仕事であった。毎日3時間ずつ紡いで布1反分の糸は14日間かかった。女は幼いころから苧績みの仕事を仕込まれた。娘時代には子守奉公に出るのが普通だったが、山村ではモリアゲとよぶ奉公の終わる年ごろになると、オミカゴ(苧績み籠(かご))という糸を入れる籠を与えられて、夜なべに糸宿に参加したという。ここでは同年齢の娘たちが集まって、雑談しながら苧を績んだので、一種の憩いの場所だったともいえる。

[丸山久子]

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