娘宿(読み)ムスメヤド

デジタル大辞泉 「娘宿」の意味・読み・例文・類語

むすめ‐やど【娘宿】

娘組の者が集まって、手仕事をしたり泊まったりする宿。めらし宿。→若者宿

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「娘宿」の意味・読み・例文・類語

むすめ‐やど【娘宿】

  1. 〘 名詞 〙 娘組の泊まり宿。信用のある年輩の人の家を使用することが多い。毎晩数人ずつ集まり、談笑、手仕事などをして過ごす。
    1. [初出の実例]「当時の婚約は、まず娘宿で男女若衆が雑魚寝を重ねたあげく」(出典:秘事法門(1964)〈杉浦明平〉七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「娘宿」の意味・わかりやすい解説

娘宿
むすめやど

成女式をすませた娘たちが集って仕事をする場所。そこに寝泊りするのを慣例とするところもあった。特定の家の一間を借りて宿と決め,気心の知れた娘たちが集って,あるいは娘組を組織して,共同苧績 (おう) み,糸繰りなどの仕事をするという例が多い。その場へ,若者が遊びかたがた仕事の手伝いにきて仲よくなり,結婚することも多かったらしい。若者組若者宿に比べて,娘のそれは一般に私的な色合いが強い。娘宿は現在ではほとんどみられないが,南西日本の沿岸部には遅くまで存続していた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「娘宿」の意味・わかりやすい解説

娘宿
むすめやど

娘組

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の娘宿の言及

【娘組】より

…名称としては娘組のほか,娘仲間,女組,女の若仲,女子若衆(おなごわかいしゆ)などがある。娘宿をともなうものが多く,また研究者が,娘宿に集まる娘たちのことを娘組と呼称することもあるが,特定の娘宿をもたない娘組も存在した。娘は,数え年15歳前後に成女式(成年式)を済ますと娘組または娘宿へ参加し,通常は結婚を機会に脱退する。…

※「娘宿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android