系統学(読み)けいとうがく(その他表記)phylogeny; genealogy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「系統学」の意味・わかりやすい解説

系統学
けいとうがく
phylogeny; genealogy

生物相互の進化的由来,すなわち系統関係を研究する生物学の一分野。由来が近縁である生物は,形態や性状や個体発生過程にも共通点の多いことが期待されるから,分類学と系統学は密接な関係にあり,分類関係を系統学的に整理しようとする学問である systematicsは,系統学とも分類学とも訳されることがある。系統関係は系統樹の形にまとめて示されることが多いが,これは E.ヘッケルに始る (1866) 。ヘッケルはまた,系統学をさすのに最も普通に用いられる phylogenyという語の造語者でもあったが,この語は最初,個体発生 ontogenyに対して,進化的経歴を意味する系統発生をさすために提唱され,やがて,系統発生の研究であるところの系統学自体も,この語で呼ばれるにいたった。

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世界大百科事典(旧版)内の系統学の言及

【系統分類学】より

…このような生物の系統発生にもとづいた分類をすることを目的とする分野を系統分類学という。なお,単に分類学taxonomyという場合にも,系統分類を志向したものをいうし,系統学systematicsという場合も地質時代における系統をあとづける手がかりとして現生生物の比較研究を重視することになるので,系統分類学と本質的な差は認められない。【岩槻 邦男】。…

※「系統学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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