紀吉継墓誌(読み)きのよしつぐのぼし

精選版 日本国語大辞典 「紀吉継墓誌」の意味・読み・例文・類語

きのよしつぐ‐の‐ぼし【紀吉継墓誌】

江戸時代、大阪府南河内郡太子町の妙見寺境内から出土した瓦塼(がせん)にある墓誌。縦二五センチメートル、横一五センチメートル、厚さ六センチメートルの塼に正書体で四行四七字に彫ってある。延暦三年(七八四)の日付等を記す。吉継は陸奥守鎮守副将軍紀広純の娘。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「紀吉継墓誌」の意味・わかりやすい解説

紀吉継墓誌
きのよしつぐぼし

陸奥守(むつのかみ)鎮守(ちんじゅ)副将軍紀広純(ひろずみ)の娘、吉継の墓誌。大阪府南河内(みなみかわち)郡太子(たいし)町の丘陵から江戸時代に出土したと伝えるが、墳墓の構造などは不明。墓誌は長方形の塼(せん)(れんが)製でほぼ同大の蓋(ふた)と身(み)からなり、身上面(25センチメートル×15.7センチメートル)に4行47字の銘文を刻む。銘文により、吉継は、780年(宝亀11)に陸奥国伊治(いじ)城で蝦夷(えみし)の反乱にあって殺された参議従(じゅ)四位下陸奥国按察使(あぜち)勲四等紀広純の娘で、784年(延暦3)に没したことが知られる。国の重要文化財。

[大脇 潔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android