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墓誌 ぼし

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

墓誌
ぼし

死者の姓名,経歴,没年,事績を後世に伝えるために記して墓に埋めたもの。銅板,石,塼などの材質を用い,墨書,朱書,刻銘がある。棺や蔵骨器に直接墓誌を記した例もある。一般に墓内に納めるが,墓前に置く場合には墓碑,墓標 (表) ,神道碑などと呼ばれる

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デジタル大辞泉の解説

ぼ‐し【墓誌】

金石に死者の事跡などを記して墓中に納めたもの。また、墓石に死者の事跡などを記した文。

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百科事典マイペディアの解説

墓誌【ぼし】

死者の伝記,功徳を記して墓の中に収めたもの。中国では後漢以後に発達,六朝になると方形の石二つを組み合わせ,一つに墓誌(銘文を伴うことが多く墓誌銘という)を刻し,他に死者の姓氏や地位を刻して蓋とし,柩(ひつぎ)の前に埋めてその標識とした。
→関連項目西文氏

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼし【墓誌】

墓誌銘ともいう。本来,中国の文章のジャンルの一つで,墓中に埋め,時代が移り変わっても,墓の主がだれかをあきらかにするための文をいう。通例,墓主の伝記を書いた散文の〈序〉と,墓主を記念賛頌する韻文の〈銘〉とから成るが,どちらか一方を欠くばあいもまれにあり,〈銘〉がなくても〈墓誌銘〉と呼ぶのがふつうである。刻される材料は,土中でも保存されるように,石を使用するのが一般的であるが,塼(せん)や金属,特に銅板が使用されることもある。

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大辞林 第三版の解説

ぼし【墓誌】

板石・青銅板などに刻まれて墓中に納められた文。広義には墓石など墳墓の地上部分に刻まれたものをも含める。死者の経歴・事跡などを記し、末尾に韻文の銘(墓誌銘)を入れる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

墓誌
ぼし

墓前に立てる墓碑に対して、石・(せん)・金属に故人の姓名・経歴・没年などを記して墓に納めたものを墓誌とよぶ。中国では後漢(ごかん)代に墓記・封記・葬などが登場し、魏(ぎ)・晋(しん)以後は墓碑がたびたび禁じられたため、墓中に納める墓誌が一般化した。北魏中葉には方形の石に文を刻むようになり、北魏末には蓋(ふた)を伴い、蓋石に題字を、誌石に姓名・経歴を記し、末尾に韻を踏む銘を付す形制が完成する。また蓋には精緻(せいち)な文様を施す例も現れ、この形制は隋(ずい)・唐を経て遼(りょう)・宋(そう)・元にも及ぶ。
 日本古代の墓誌は7世紀後半から8世紀末にかけての18例の出土が知られている。その起源は中国にあるものの、内容・形制ともに特色があり、また時代による変化も認められる。その要点を記すと、7世紀末から8世紀初頭にかけては長方形板状の墓誌の表裏や、銅製骨蔵器に直接銘を記す例が多いが、やがて板状墓誌が多数を占め、銘文も片面にのみ記し、8世紀後半には蓋を伴う例も登場する。またその縦横の比率もしだいに横幅が広くなり、周囲に唐草(からくさ)文などの装飾を施す例も出てくる。このような新しい傾向はいずれも中国墓誌の影響と理解される。古代の墓誌は火葬の採用とともに官人層を中心に普及して、僧侶(そうりょ)・女性の例もある。文章は長文で中国風の銘を有するものもあるが、大半は姓名・官位・卒年のみを記す簡単な例が多く、『喪葬令(もそうりょう)』に定める墓碑の代用としての性格も指摘されている。平安時代以降は、いったん衰退するが、中世には僧侶の在銘骨蔵器として復活し、近世には武家や富豪階層を中心に三たび盛行する。[大脇 潔]

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世界大百科事典内の墓誌の言及

【金石文】より

…また金文は殷以来鋳銘で陰文がほとんどであるが,まれに陽文もあり,さらに戦国末にはたがねによる線刻も行われるようになった。 石刻には碑,碣(けつ),墓誌,造象,磨崖(まがい)などがあるが,主要なものは碑,碣,墓誌の三つである。碑は本来は廟門に立てて犠牲をつないだり,墓所に立てて棺を縄で墓中につり下ろすときに用いられたものである。…

【書】より

…また,西晋のころから,墓前に碑を立てる代りに,小型の碑を作って,墓中に収めることが始まった。《管洛墓碑》《張朗碑》などがその例で,これらは後世に盛行する墓誌銘の先駆となった。 東晋時代には,王羲之・王献之父子をはじめ,書の名家が数多く現れ,ここに書道史の黄金時代が出現するにいたった。…

【墳墓】より

…中国では,死者の姓名経歴を記した碑を立て,唐代以来,墓塔を立てる。墓の内部に墓誌を入れることも,戦国時代(中山王墓)以来行われている。朝鮮では百済の武寧王陵の墓誌が有名である。…

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