精選版 日本国語大辞典 「紅葉笠」の意味・読み・例文・類語
もみじ‐がさもみぢ‥【紅葉笠・紅葉傘】
- 〘 名詞 〙
- ① ( 「古今‐秋下」の歌、「雨ふればかさとり山のもみぢばは行きかふ人の袖さへぞ照る〈壬生忠岑〉」から出て、照る笠の意 ) 日傘。日照傘(ひでりがさ)。
- [初出の実例]「時雨てぞかしける余所の紅葉笠〈近吉〉」(出典:俳諧・懐子(1660)七)
- ② 雨傘の一種。元祿時代から用いられた高級品。中央の部分だけ青色の土佐紙で丸く張り、外側を白紙ばりにしたもの。後には、蛇の目傘と同じ模様のものを指し、多く、粗製の傘にいった。
- [初出の実例]「十二三なる美少人。まだ夏ながら紅葉傘(モミヂガサ)を持て」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)二)
- ③ ( 紅葉笠 ) キク科の多年草。各地のやや暗い湿潤な山林内に生える。高さ五〇センチメートル内外。葉は互生し長柄をもち掌状に五~七裂する。初秋、白い小さな頭花を多数円錐状につける。小花はすべて管状花で白い冠毛がある。若苗は食用とする。もみじそう。しとぎ。しとげ。〔日本植物名彙(1884)〕