紋羽(読み)モンパ

デジタル大辞泉 「紋羽」の意味・読み・例文・類語

もん‐ぱ【紋羽】

綿布一種地質が粗く、柔らかで、けば立ったもの。足袋裏や肌着に用いられた。

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精選版 日本国語大辞典 「紋羽」の意味・読み・例文・類語

もん‐ぱ【紋羽】

  1. 〘 名詞 〙 綿布の一種。綿フランネルに似て、地質が厚く粗く、柔らかく、毛ば立たせて織ったもの。多く肌着や足袋裏や帯芯(おびしん)に用いられた。和泉国大阪府)樽井地方で織り出された。江戸中期、寛保年間(一七四一‐四四)に紀伊国和歌山県)で売り出され、もとは孫六織といったものを、明和四年(一七六七)に改名したもの。
    1. [初出の実例]「切竹を染たる伊達浴衣に、虎班(とらふ)を打たるもんぱの帯」(出典洒落本田舎芝居(1787)二立目)

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世界大百科事典(旧版)内の紋羽の言及

【泉南[市]】より

…江戸時代には多くの村が岸和田藩領となったが,街道交通の要地である信達市場(しんだちいちば)には紀州藩主が宿泊する本陣が置かれ,また市も開かれてにぎわった。近世以来綿花が栽培され,それを原料にした和泉木綿,紋羽(もんぱ)(かつて足袋底の内側などに使われた目の粗い綿布)の産地となった。第2次大戦後,太糸紡績中心の小零細な特繊紡績業が集中し,泉州繊維産地の一部を形成している。…

※「紋羽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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