和歌山県(読み)わかやまけん

精選版 日本国語大辞典 「和歌山県」の意味・読み・例文・類語

わかやま‐けん【和歌山県】

近畿地方南西部の県。紀伊国の大部分にあたる。明治四年(一八七一)の廃藩置県により和歌山・田辺・新宮の三県が成立したが、まもなく和歌山県に統合され、五条県(旧高野山領)を合わせて現在の県域が定まる。県庁所在地和歌山市

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デジタル大辞泉 「和歌山県」の意味・読み・例文・類語

わかやま‐けん【和歌山県】

和歌山

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日本歴史地名大系 「和歌山県」の解説

和歌山県

風土と産業

和歌山県は近畿地方の西南部、紀伊半島の西半を占める。面積四七二三・二二平方キロ。北は大阪府、東は奈良・三重両県に接し、西は紀伊水道を隔てて四国徳島県と相対し、南は太平洋に臨み、南端の潮岬しおのみさきは北緯三三度二六分で本州最南端の位置にある。七市・七郡(三六町・七村)からなり、有田郡以北を紀北、日高郡以南を紀南とよんでいる。

〔地形〕

和歌山県は、西日本を南北に二分する中央構造線に沿って東西に連なる和泉山脈を北限とし、紀伊半島の尾根大峰山脈の西側に南北に連なる紀和果無きわはてなし山脈の西側斜面にある。半島の大部分を覆う山々は紀伊山地と総称され、大峰山脈を中心に東に台高だいこう山脈、西に和歌山・奈良両県境をなす紀和果無山脈が、いずれも南北方向に走り、これらを中心に東西方向に連なる山脈が並走して海に向かう。

紀和果無山脈は北から高野山じんヶ峰(一一〇五・八メートル)護摩壇ごまだん(一三七二メートル)伯母子おばこ(一三四四メートル)千丈せんじよう(一〇二六・三メートル)などが連なり、千丈山で方向を東に転じて東牟婁ひがしむろ郡と奈良県との境をなす果無山脈となる。紀和果無山脈北部では西方に、南端部の果無山脈からは南に向かって、幾筋もの山並が派生し海に達している。北部では紀ノ川南岸に沿って竜門りゆうもん山から西方へ岩橋いわせ丘陵・名草なくさ山・雑賀さいか山と断続。その南には高野山から生石おいしヶ峰を経て西走する長峰ながみね山脈があり、この山脈は有田郡の北境となる。護摩壇山から西に日高郡由良ゆら白崎しらさきや同郡美浜みはま町のノ御崎に向かう白馬しらま山脈は、有田・日高の郡境をなし、さらに日高郡の南縁をとらみね山脈が西に向かって走る。日高以南では大塔おおとう(一一二二メートル)を中心に放射状に延びる尾根筋が海に向かう。

紀伊山地には高野山に典型的にみられる山頂平坦面が幾つもの山にあり、満壮年期の山地である。「続風土記」が「高峰峻嶺重畳連綿して諸川其の間を分画す」と記すように、河川はこれら山脈の間の樹枝状の支谷の水を集めて流れる。奈良県の吉野川を上流とする紀ノ川は直線状に西流し、河口に和歌山平野を形成する。高野山上に発し有田郡内を西流する有田川は河口平野の発達は著しくない。護摩壇山に発して日高郡を貫流する日高川は、はなはだしい曲流を示しながら河口に県内第二の日高平野を形成している。日高川以南ではおもな河川は西南西の方向をとり、富田とんだ川・日置ひき川が典型的である。熊野川は上流の奈良県十津とつ川を含めて南流といえるが、支流北山きたやま川は南西流する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

事典 日本の地域ブランド・名産品 「和歌山県」の解説

和歌山県

近畿地方南部に位置する県。南側は太平洋に面している。紀伊山脈を中核とする山地が大部分を占める山岳地帯で、平地は少ない。北部と南部では温度差があるものの、黒潮の影響を受け温暖で雨量も多い太平洋型の気候。夏に降水量が多い。農業・水産業・軽工業が盛ん。県花は、うめ。県木は、うばめがし。県鳥は、めじろ。県魚は、まぐろ。

[和歌山県のブランド・名産品]
青身大根 | 有田の太刀魚 | 有田みかん | 加太の真鯛 | 勝浦のマグロ | 紀州うすい | 紀州梅干 | 紀州仕立て鮎 | 紀州漆器 | 紀州箪笥 | 紀州雛 | 紀州備長炭 | 紀州へら竿 | 紀州みなべの南高梅 | 紀州湯浅醤油 | 金山寺味噌 | 熊野牛 | 御坊人形 | 山椒 | 四郷串柿 | しもつみかん | じゃばら | 棕櫚箒 | すさみケンケン鰹 | 太地の鯨 | 那智黒硯 | 根来寺根来塗 | 野鍛冶刃物 | パイル織物 | 日高のクエ | 皆地笠 | 保田紙 | 和歌山だいこん | 和歌山ラーメン

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「和歌山県」の意味・わかりやすい解説

和歌山〔県〕
わかやま

面積 4724.65km2
人口 92万2584(2020)。
年降水量 1316.9mm (和歌山市) 。
年平均気温 16.7℃ (和歌山市) 。
県庁所在地 和歌山市
県木 ウバメガシ
県花 ウメ
県鳥 メジロ

近畿地方南西部の県。紀伊半島西部を占める。北部は和泉山脈南斜面で,その南側を東西に中央構造線が通り,これに沿って紀ノ川が西流,下流に和歌山平野を形成する。紀ノ川以南の西南日本外帯は紀伊山地で,西斜面を蛇行して流れる有田川,日高川,富田川,日置川が紀伊水道,太平洋に注ぐ。紀伊水道沿岸はリアス海岸,太平洋沿岸の日高川河口から南には海岸段丘が発達。気候は温暖多雨で,特に紀伊山地南斜面は日本の多雨地域にあたり森林が繁茂。古くは紀伊国と呼ばれ,紀ノ川流域と海岸部から開発が進んだ。天正 13 (1585) 年,豊臣秀吉が和歌山に若山城を築城,秀長および浅野氏の時代を経て元和5 (1619) 年徳川頼宣が入城し,以後親藩紀州徳川藩 55万 5000石の支配下となった。明治4 (1871) 年の廃藩置県で和歌山,田辺,新宮の3県となり,同年3県が統合して和歌山県となる。県域の約 80%が山地でスギ,ヒノキ,アカマツなどの美林が多く,和歌山市,田辺市,新宮市などに製材業が発達。有田川流域の傾斜地は古くからミカンの産地として知られ,現在柑橘類では愛媛県と並ぶ果樹生産県となっている。下津,勝浦,串本,田辺などの良港にも富み,遠洋漁業の基地として知られ,近年では養殖漁業も行われる。第2次世界大戦後,和歌山市に繊維,製鉄,化学,海南市や下津,初島に石油精製などの重化学工業が進出し,和歌山北部工業地域を形成。海南市の漆器,和傘,シュロ加工や湯浅町の醤油,味噌,有田市の蚊取線香は伝統工業。高野山,熊野三山をはじめ社寺や温泉,景勝地が多く観光開発も盛ん。これらは吉野熊野および瀬戸内海両国立公園,高野龍神国定公園に属する。 JR紀勢本線,阪和線,和歌山線が通じ,空の玄関口として南紀白浜空港がある。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「和歌山県」の解説

和歌山県
わかやまけん

近畿地方の南西部に位置する県。旧紀伊国の大部分を県域とする。1868年(明治元)和歌山藩の付家老が支配する田辺領・新宮(しんぐう)領が藩に列せられた。伊都(いと)・那賀(なが)両郡の高野山領は,69年堺県,70年五条県に属した。71年廃藩置県により和歌山県・田辺県・新宮県が成立,同年11月旧高野山領とともに和歌山県に統合された。度会(わたらい)県(のち三重県に合併)との県境を北山川としたため,牟婁(むろ)郡北山5カ村は和歌山県の飛地として残った。県庁所在地は和歌山市。

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