精選版 日本国語大辞典 「紙切り虫」の意味・読み・例文・類語
かみきり‐むし【天牛・髪切虫・紙切虫】
- 〘 名詞 〙
- ① 甲虫目(鞘翅目)カミキリムシ科に属する甲虫の総称。体は細長い円筒形で、触角は糸状または鞭状で、長いものが多い。口の左右に、鋭い大あごがあり、小枝などをかみ切る。種類は多く、体長数ミリメートルのものから一五センチメートルにおよぶものまである。日本に六〇〇種以上知られ、成虫は夏に多く、ゴマダラカミキリ、クワカミキリなどが含まれる。幼虫は「てっぽうむし」と呼ばれ、樹木の害虫となるものが多い。日本各地に分布する。てんぎゅう。《 季語・夏 》
- [初出の実例]「 加彌支利虫」(出典:新撰字鏡(898‐901頃))
- ② ( 浮気の客の髪を散切(ざんぎり)にすることがあるところから ) 女郎の異称。
- [初出の実例]「髪切虫(カミキリムシ)といへる妖孽(えうげつ)有といひふらせて」(出典:俳諧・宝蔵(1671)四)