ゴマダラカミキリ(英語表記)Anoplophora malasiaca

改訂新版 世界大百科事典 「ゴマダラカミキリ」の意味・わかりやすい解説

ゴマダラカミキリ
Anoplophora malasiaca

甲虫目カミキリムシ科に属し,ミカン類,モモなどの果樹,カシ類,ヤナギ類などの庭木街路樹を広く加害する。日本全土のほか,台湾,中国などにも分布する。黒色光沢あるからだは白色小紋を散布する。触角の長さは雄では体長の1.7~2倍。雌では約1.3倍。体長25~35mm。成虫は6月ごろから出現し,幹の根もと付近に横3~4mm,縦1~2mmのかみ傷をつけ,その中に1個の卵を産みつける。孵化(ふか)した幼虫は根もと付近の樹皮下を穿孔(せんこう)するが,成長につれて材部へも,さらに成長した幼虫は根の中まで穿孔する。したがって樹木が枯死することも珍しくない。幼虫は乳白色で円筒形,胸脚は微小。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴマダラカミキリ」の意味・わかりやすい解説

ゴマダラカミキリ
ごまだらかみきり / 胡麻斑天牛
[学] Anoplophora malasiaca

昆虫綱甲虫目カミキリムシ科に属する昆虫。日本各地のほか台湾、中国などに分布する。ミカンなどの果樹や街路樹、庭木の大害虫として有名である。体長25~35ミリメートル。黒色で光沢があり、前胸背面の2紋、小楯板(しょうじゅんばん)、上ばねに散在する紋、触角節の各前半、体下面は白い微毛で覆われる。前胸両側にはとがった突起があり、触角は体より長く、雄では2倍に近い。成虫は6~8月に現れ、雌は幹の根元の樹皮にかみ傷をつけ、1粒ずつ産卵する。幼虫は初め樹皮下を、のち材部を食べて育ち、根の中に侵入することもある。加害樹は数十種が知られている。

[中根猛彦]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴマダラカミキリ」の意味・わかりやすい解説

ゴマダラカミキリ
Anoplophora malasiaca

鞘翅目カミキリムシ科。体長 25~35mm。体色は光沢のある黒色で,上翅には白色の軟毛から成る多数の白色斑がある。上翅基部には顆粒が散在し,各2条の隆起がある。翅端は丸い。触角は,雌では体長の 1.2倍,雄では 1.7~2倍の長さがあり,各節の基部は青白色の微毛でおおわれる。また腹面,肢も同色の微毛でおおわれている。幼虫はミカン類,イチジククワなど多くの広葉樹の材中に穿孔し,食害する。成虫は夏季に出現し,これらの小枝を食害する。日本全土に産し,台湾,朝鮮,中国にも分布する。

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小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「ゴマダラカミキリ」の解説

ゴマダラカミキリ
学名:Anoplophora malasiaca

種名 / ゴマダラカミキリ
目名科名 / コウチュウ目|カミキリムシ科
解説 / ヤナギ、イチジク、ミカンなどの樹皮をかじります。
体の大きさ / 23~35mm
分布 / 北海道~南西諸島
成虫出現期 / 6~8月
幼虫の食べ物 / ヤナギ類、ミカン類など

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百科事典マイペディア 「ゴマダラカミキリ」の意味・わかりやすい解説

ゴマダラカミキリ

カミキリムシ科の甲虫の1種。体長30mm内外,光沢ある黒地に白紋を散布する。日本全土,朝鮮,中国,台湾などに分布。幼虫は樹幹の根ぎわの形成層部を環状に食べ,樹木を枯死させる。特にナシ,ミカンなどの果樹やヤナギ類に被害をもたらす。

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