すっぱ‐ぬき【素破抜】
〘名〙
※浄瑠璃・日本武尊吾妻鑑(1720)二「気の毒や又
酔狂か、余の
酒飲みに
事変はり、疑ひの立つすっぱぬき」
※
滑稽本・続膝栗毛(1810‐22)一二中「旅の
浪人衆が三人、御酒のうへですっぱぬきして
怪我人もありましたから」
② 人の
隠し事や秘密を不意にあばいて明るみに出すこと。
※
当世書生気質(1885‐86)〈
坪内逍遙〉一〇「なんぞいい穴でも見つけたなら、スッパ抜
(ぬき)して田の次をこまらせ、恥をかかせてやらうと思って」
④ うっかり失言すること。
※落語・王子の
幇間(1889)〈三代目三遊亭円遊〉「さて口は禍
(わざはひ)の元、舌は禍の根とか申まして、余り
口数を利きますと其中には素
(ス)っ葉
(パ)抜きを致し」
すっぱ‐ぬ・く【素破抜】
〘他カ五(四)〙
① 刃物を不意に抜きはなつ。
※俳諧・二息(1693)「すっぱぬき・扱へる
女房の鼻そぎて」
② 人の隠し事や秘密を不意にあばいて明るみに出す。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
※
正義派(1912)〈
志賀直哉〉「俺、余っ程警部の前で素
(ス)っ破
(パ)ぬいてやらうかと思ったっけ」
③ 人の意表に出る。だしぬく。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報