日本大百科全書(ニッポニカ) 「紫外線カットガラス」の意味・わかりやすい解説
紫外線カットガラス
しがいせんかっとがらす
UV cut glass
太陽光などに含まれる紫外線を吸収する機能をもったガラス。紫外線は大きなエネルギーをもつ光線で、直接浴びると日焼けや皮膚癌(がん)の原因となることが知られている。そこで、ガラス自体に紫外線を吸収する酸化セリウムや酸化チタンなどの成分を混入したり、紫外線を吸収する成分を含む樹脂フィルムや酸化物薄膜をガラス表面に被覆したりすることで、紫外線の透過を防ぐ。たとえば、自動車のフロントガラスには、2枚のガラス板の間に紫外線を吸収する樹脂フィルムを入れた合わせガラスが用いられている。また、車のリアガラスやサイドガラス、電車の窓ガラス、ビール瓶のなかには着色を呈するものがあるが、これは紫外線を吸収する成分が可視光域の光も吸収することが原因である。
[伊藤節郎]
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