紫外線と皮膚

六訂版 家庭医学大全科 「紫外線と皮膚」の解説

紫外線と皮膚
(皮膚の病気)

 紫外線は、皮膚でのビタミンDの活性化を促す作用があり、体に必要な光線ですが、最近になって紫外線にあたると皮膚の抗菌物質が増えることがわかりました。一方日焼けを起こしたり、その後の色素沈着を起こす作用もあります。

 日光にあたったのち皮膚の色が黒くなるのは、表皮内でメラニン色素をつくる色素細胞が増加・活性化し、メラニン色素が増えるからです。

 メラニン色素には紫外線を吸収し皮膚の障害を抑える効果があり、紫外線による皮膚の色素沈着は生体防御反応と考えることができます。

 紫外線にはDNAの障害を起こす作用があり、この作用のために長期的な効果として皮膚の発がん作用があることがわかっています。しかし、紫外線に曝露したら必ず皮膚がんになるということではなく、そのリスクが増えるということで、個人差もあります。

 また、紫外線には皮膚の老化を促進する作用(光老化)や、しわを増やす作用があります。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android