細石刃(読み)さいせきじん

山川 日本史小辞典 改訂新版 「細石刃」の解説

細石刃
さいせきじん

シベリアから環太平洋地域北部に分布する極小石刃で,細石器の代表例。日本では旧石器時代末期に出現し,以後長く使用され,長崎県泉福寺洞窟福井洞窟遺跡では縄文草創期の土器とともに発見された。細石刃は地域によって,湧別(ゆうべつ)技法西海技法などの特殊な剥離(はくり)法で作られる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の細石刃の言及

【細石器】より

…他はモンゴル高原,シベリア,日本,アラスカにまたがる地域に分布圏をもつもので,石刃石器の一つであった彫刻刀graverあるいは舟底形石器keeled‐scraper類から生ずる不用な石屑部分を逆に有効に活用したといえる細身(幅約0.5cm)の石刃類である。特色ある石核を準備する特徴があり,これらを細石核,細石刃と呼ぶ。細かい石器類は単体で鏃や銛などの狩猟具として用いるが,組み合わせていっそう合理的な道具(コンポジット・トゥールcomposite toolと呼ぶ)として用いることができる(図)。…

【中石器時代】より

… アジア大陸においては,石器の細小化は,ヨーロッパや他の大陸とは異なって後期旧石器初頭から開始された。シベリア,中国においては,ヨーロッパや西アジアのような幾何学的細石器を生産しなかったが,楔形細石刃核を利用して細石刃を多量に生産した。それは骨角器にはめこんで,投槍,簎として利用され,生産活動を高めた。…

※「細石刃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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