普及版 字通 「絅」の読み・字形・画数・意味
絅
11画
[字訓] ひとえもの
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は(けい)。〔説文〕十三上に「に引くなり」とあり、〔段注〕にその義を字の本義とし、〔中庸、三十三〕「錦を衣(き)て絅を(くは)ふ」の絅は、(けい)がその本字であるという。金文の賜与に「冂衣(けいい)」「衣」としるすものがあり、冂・が絅の初文であることが知られる。冂・はのち迥遠の字とされ、区別して絅の字が作られた。〔詩、衛風、碩人〕「錦を衣(き)て衣す」は上にかつぐ麻のひとえもので、は後起の形声字であろう。
[訓義]
1. ひとえもの、うすぎぬ、衣の上にかつぐもの。字はまたに作る。
2. 急に引く、ひきしめる、きびしい。
3. たすき。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕絅 タスキ・タチマチ 〔字鏡集〕絅 ヒトヘナリ・タスキ・イソギヒク・タチマチ
[熟語]
絅裳▶
16画
(異体字)絅
11画
[字訓] ひとえ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は耿(こう)。〔説文〕八上に「(あさ)なり」とし、〔詩、衛風、碩人〕「錦を衣(き)て衣す」の句を引く。〔中庸、三十三〕にその詩句を引いて、を絅に作る。金文に冂衣(けいい)・衣としるしており、それが初文であろう。錦衣の上に、うちかける麻のひとえものをいう。
[訓義]
1. ひとえ、麻のひとえ、ちりめんのひとえ。
2. 字はまた絅に作る。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ヒトヘキヌ
[熟語]
衣▶・裳▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報