化学辞典 第2版 「結晶析出法」の解説
結晶析出法
ケッショウセキシュツホウ
crystal deposition method
結晶を成長させるための方法として,化合物の溶融相から析出させる方法と,化合物を適当な溶媒に溶かしてつくった溶液相から析出させる方法などがあげられる.前者は,系の温度と圧力を制御することによって実行され,後者では,溶液の過飽和状態を実現するために,
(1)系の温度を下げる,
(2)溶媒を蒸発させる,
(3)溶質を追加する,
などの手法があげられる.多くの単結晶作製は後者の溶液相から析出させる方法にもとづいて行われている.この場合,つくるべき固体の融点以下の温度で結晶が析出するので,化合物の熱分解や結晶のひずみや欠陥などを少なくすることが可能になる.結晶も晶癖に従って成長できるので,成長した結晶の軸も光学的に特定できる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報