普及版 字通 「綏」の読み・字形・画数・意味
綏
13画
[字訓] たれひも・やすんずる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 形声
声符は(妥)(だ)。に・(すい)の声がある。は女子に上から手を加え、これを安撫する意。〔説文〕十三上に「車中の把(と)るものなり」とあり、〔論語、郷党〕に「車に升るに、必ず正しく立ちて綏を執る」とみえる。車に升るときにもつ垂れひもで、〔儀礼、士昏礼〕に新夫が新婦を迎える親迎のとき、車上から綏を授ける儀礼がある。綏安の意に用い、字はまたに作る。食前に、黍・稷・肺を以て尸(かたしろ)を祭ることを綏祭といい、キの音でよむ。
[訓義]
1. たれひも、車のとりて、車に升るときにとるひも。
2. やすんずる、やすらか。
3. ゆるやか、おそい、とどめる。
4. と通じ、車上に建てる旗のたれ毛。
5. 垂と通じ、たれる。
6. 綏祭は食前にその一部をお供えすること。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕綏 ヤスシ・トドム・オソシ・タル・ユタカニ・カンムリノヒモ・ホホスゲ・オイカケ/ ヲイカケ・フサ
[語系]
綏・njiuai、njiui、垂zjiuaiは声義近く、は草木の華の垂れるさま。は冠纓(かんえい)(冠の紐)の垂れるもの。〔礼記、檀弓上〕「喪冠にはせず」のを、また綏に作り、に作り、三者通用することがある。みな垂の語系に属する語である。
[熟語]
綏祭▶・綏安▶・綏慰▶・綏遠▶・綏懐▶・綏勧▶・綏御▶・綏馭▶・綏視▶・綏肆▶・綏聚▶・綏輯▶・綏集▶・綏章▶・綏綏▶・綏靖▶・綏世▶・綏旌▶・綏静▶・綏接▶・綏定▶・綏寧▶・綏撫▶・綏服▶・綏辺▶・綏氓▶・綏民▶・綏宥▶・綏養▶・綏徠▶・綏理▶・綏和▶
[下接語]
安綏・永綏・咸綏・玉綏・恵綏・交綏・索綏・策綏・授綏・緝綏・垂綏・正綏・靖綏・妥綏・綏・鎮綏・撫綏
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報